【男の育休物語#02】男の育休って実際のところどうなのか?
わたしは2021年4月〜2022年2月まで、約11ヶ月の育休を取得している。
たかだか11ヶ月なんだけど、せっかく取ったことだし、男の自分が実際に育休を取るまでの過程、取っみてて感じたこと、起こったことなどをできるだけ細かくまとめていうと思う。
#02は「育休の実際(はじめの3ヶ月編)」
ざっくり言うなら、はじめの3ヶ月は育休の楽しさやら辛さがギッシリ詰まった期間だった。わたしは日記を毎日つけているので、その中から当時の気持ちを引用しつつ、育休中のアレやコレを書き記していきたい。
これを書くにあたって育休中の日記を読み返してみると、ほぼ8割くらいの確率で何らかの子どものことが書いてあった。それだけ子どものことが印象的だったのか、はたまたそれしか書くことがなかったのかは、今となっては記憶が薄れつつあって分からないけど、記憶ばかりを頼りに文章を書くよりは、幾分か当時のナマの気持ちがそのまま表れていると思う。
ヒトの日記なんて読んでも面白くないかもしれないけれど、そこから何か感じてもらえることがあればうれしい。
【 登場人物 】
自 分(37歳)育休中の平凡サラリーマン
妻 (37歳)お仕事頑張る超ウーマン
長 女( 4歳)プリキュア大好き幼稚園児
長 男( 2歳)抱っこ大好き&母大好き
育休1ヶ月目(2021年4月)
育休初日。わたしはやる気に満ちあふれていた。これから毎日、朝昼晩のご飯を作って、掃除して、洗濯して、子育てして、スーパーの買い物も行って、家計簿もつけて、とにかく全部しっかりとやってみせるぞ!と思っていた。つまりやる気満々だったのを覚えている。さて、現実はどうだったか。当時の日記を振り返る。(文中「こーうつ」は、妻のこと。)
0401(木)
晴れ。朝ごはん作って、掃除して、散歩して、買い物して、お昼ご飯作って、昼寝させて、夕飯作ってたら終わった1日だった。自分のことなんてほぼできていない。こーうつマジすげぇと思った。育休はじめての1日目だったから頑張ってみたけど、少し頑張りすぎた。徐々に自分のペースをつかんでいこうと思う。
この有り様である。わたしのやる気は、初日にして先制パンチを受けることになった。その後も強烈なパンチは続き、5日目にしてフルボッコだった。
0405(月)
曇り時々雨。郵便局へ定額小為替を買いに行き、警察署にケータイを取りに行き、ウエルシアでプリキュアカレーを買った。子どもたちの要求に応えていると、自分のことをやる暇はほとんどなく、それでいて「お父さんだとつまらない」「お母さんがいい」と言われると、それが本音だという事を再確認して辛くなる。そんな日だった。まぁこれまで子育てをしっかりしてこなかったからこそだろう。まだ育休始まって一週間も経っていないのだから頑張る。
とにかく、色々なことの勝手が分からなくて大変だった。スーパーで食材を買う量、長女の幼稚園でのやりとり、長男との遊び方などなど。仕事と違ってプレッシャーは少ないのだが、いくら頑張っても誰も見ていないし、誰にも褒められないというのが(厳密には、妻が褒めてくれていたのだけれど)メンタルに響いた。褒められたい一心で、幼稚園のママさんたちに「自分、育休取ってるんですよ」なんてひけらかし、「わぁースゴイ!頑張ってるね!」って言ってもらうのがオアシスだった。
さて、ここで質問です。あなたは育休を取っている女性に対して「わぁースゴイ!頑張ってるね!」なんて言って称えたことがあるだろうか。自分はない。きっと世の中の女性は、わたしみたいに育休取ったくらいでは驚いてはもらえない。むしろ、女性が育休取って当たり前くらいに考えられているのが現状ではないだろうか。そんな事を感じた最初の1ヶ月だった。
育休2ヶ月目(2021年5月)
徐々に生活パターンが固まりはじめる。わたしの場合はこんな感じだった。
朝食(準備・片付け)
洗濯(たたむ・干す)
掃除(床・トイレ)
長女幼稚園へ送る
長男と遊ぶ
昼食(準備・片付け)
長男昼寝
長女幼稚園の迎え
おやつ
子どもと遊ぶ
風呂掃除
夕食(準備・片付け)
ひたすらこれを毎日繰り返していた。
人間が同じことを繰り返すことを、世間では「習慣」と呼ぶ。習慣は一度体に染み付くとなかなか離れず、これさえこなしていれば一定の安心感が得られるというメリットがある。
しかしその一方で、習慣化によるデメリットもある。それは、習慣が崩された時の「精神衛生面の悪化」だ。簡単にいうなら、習慣が崩されると、
マジでイラつく。
5月は日常生活が習慣化されて楽になった反面、その習慣が崩されてイライラすることが多かった。
0517(月)
晴れ。長男がかなり爆睡してくれた。けど午後が大変だった。ちょっと何があったか思い出せないけれど、結構大変だった。子どもに辛くあたってしまうことがある。イライラしていたとはいえ、なんだか申し訳ない。気をつける。こーうつもめちゃくちゃ疲れて帰ってきた。
0527(木)
雨のち曇り。朝からめちゃくちゃ降って、夕方にやんだ。なんだかすごくイライラして子どもに当たってしまう。ほんの些細なことで声を荒げてしまう。家族なだけに感情を発散させてしまっているのだろう。これは良くないから反省する。なんだか食道のあたりが痛い。
この時のわたしは気付いていなかったけど、イライラの原因は自分の習慣を子どもに崩されることから来ていた。例えば、子どもがグズって掃除ができないとか、長女の迎えが早くて長男が昼寝しないとか、そういう些細な習慣の乱れがストレスだった。
「まぁこういう日もあるさ」なんて心にゆとりが持てるのは、もっともっと後になってからだった。
育休3ヶ月目(2021年6月)
この月にいよいよわたしは体を少し壊した。結局、大事には至らなかったんだけど、少し体を壊したからこそ周囲のやさしさや子どもの成長を感じられる日があった。
0603(木)
晴れ。長女が微妙に咳が出るので幼稚園を欠席することにした。自分は胃カメラをやるということで、10時半まで何も食べられず、体調も良くないので最低な午前中だった。胃カメラの結果は異常なし。まあ良かった。お腹が空いたと言ったら、長女が台所をゴソゴソしてクッキングシートを出してきた。わたしにおにぎりを作ってくれようとしたらしい。こういうやさしさはうれしい。子育てはまだまだイライラする事が多くて、自分の未熟さを感じるけれど、自分が取りたくて取った休みなのだから、1日1日前進できるように頑張る。
0627(日)
曇り時々雨。公園へ遊びに行き、マックと唐揚げ弁当な昼食を食べ、バレエ(長女の習い事)の総練習に行った。公園では子どもたちが色んな遊びができる様になっていて、2人とも楽しそうで本当に良かった。バレエも上手になっているのがわかるし、少しくらい分からなくても泣かない様になってきた。こーうつは色々大変だけど、自分ができるサポートを色々して2人で乗り越えていけばきっと大丈夫だと、そう思えた日曜日だった。これから色んな大変なことがあるだろう。その中でも、家族がしあわせであります様に。
まだまだ上手くいかないことはあったけれど、少しづつ育児に慣れてきて楽しみが持てるようになっていた。この頃から趣味で段ボール工作を始めたのも大きいのかもしれない。工作はわたしに程よい達成感を与えてくれた。そしてあることに気付いた。
育児には『達成感』が絶対的に足りない
仕事をやっていた頃は、そこそこ頑張ればほぼ確実に感じられた達成感が、育児にはいつまでたってもやってこなかった。その辛さは、何キロ走ればいいのか分からない持久走を延々とやらされているようだった。いくら頑張っても、なにか具体的な成果が得られているような気がしない。本当は成果があるんだけど、それに気付けるようになるには自分の訓練が必要だった。そしてそれが徐々にできるようになったのがこの頃だった。(ここら辺の話は、また別記事にまとめようと思う)
3ヶ月のまとめ
どーも、ここまで読んでくれてありがとう。色々あった3ヶ月だったけれど、育休を取ったことはまったく後悔しなかったし、むしろ取って良かったと、この時点で心から感じていた。
このつづきはまた今度書こう。
育休取ろうかどうか迷っている世の男性の参考に少しでもなりますように!
#03「育休日記(4ヶ月〜6ヶ月編)」へつづく。