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感傷に浸りたい日



今日は起床時からなんとなく心が疲れていて身体も怠くてやるせない日で
いつものように、朝ごはんを食べたら
いつものように洗濯、はせず
なんなら着替えもせず
かろうじて掃除機はかけ
ただ静かに過ごしたくて 編み物をしたり
子どもたちが粘土にビーズをくっつけて何やら一生懸命作っている横でボーッと
アイスコーヒーを飲んだり、ソファに横たわってみたりしていた。

無性に、
昔を思い返してみたり。

結婚する前のわたしからは到底、
想像もつかないほど遠い世界に今、いるような気分で なんだかハッとして。
(地理的にはそんなにはなれていないのですが、)

ほんの数年前の生活との違いに愕然として
好きだった音楽をかけてみたりして
懐かしく、なったり。
戻りたいのかといえば、けしてそうではないし、
今の生活はわたしがずっと欲しかった穏やかな暮らしだ、

けれど。

満員電車を待つホームや、イヤホンで音楽を聴きながらの出勤ラッシュや地下鉄の揺れ方や勤務後にふらりと寄っていたカフェや友だちとの日々…
夜勤のあとのコンビニ弁当や、待ち合わせたマンガ喫茶まで思い出す。


そういうわたしの"当たり前の日常"を
すぱんとはさみで切り取ったような
静かな現在のなかで、

たまに、あるのだ。
こういう日が。
我にかえるような日が。
感傷にびたびたに浸っていたくなる日が。

そんな日にフッと、思い出す詩。
いつもは隠れているけど、ずっとそっと心に生きている大切な詩。


ずっと会えていないけど
みんな、元気?


わたしは、元気だよ。


みえない手紙  工藤直子


どこにいますか
おげんきですか
背すじ伸ばして歩いていますか
わらう日々を すごしていますか
ときどき泣いたりしていますか
ちょっとスネたりもしていますか

どこにいますか
おげんきですか
話につまると空を見あげて
きっかけをさがそうとしましたね
あの日 あなたもわたしも
いっしょうけんめいでした

どこにいますか
おげんきですか
わたしは なんとかやっています
ときどき ふっとたちどまり
あなたを探す自分に気がつき
しらぬまに急ぎ足になります

どこにいますか
おげんきですか
あなたとわたしを へだててしまう
かぞえきれない春夏秋冬
みえないあなたに きりもなく
みえない手紙を書いています

どこにいますか
おげんきですか

追伸=きょうは天気です



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たくさんの好きな言葉や詩なんかを、
ときどき、置いていけたらいいな。


と。

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