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『ゴルフ無心論』〜クネクネ帝国の逆襲〜 Episode2-2. 「戦慄!迫り来るクネクネ帝国」後編

みなさんこんにちは。
フロンティアゴルフアカデミーの河野です。

前編は初心者に対して、クネクネ帝国がどのような布教をしてくるかについて解説しました。今回が本丸、ご覧頂いている方の中で一番多いレイヤーであろう、中級者からスタートです!


②中級者(ある程度のラウンド経験がある初心者も含めます)
運よくクネクネ思想から逃れた、またあまり深くはフォームを気にしていなかったゴルファーに対して、ここからクネクネ教徒は布教を本格化してきます。その最も多い場所が、実際のコースでのラウンド中です。

あくまで(あまり良くない)一例ですが、あまり宗教に興味のなかった親戚や知り合いなどが、突然パッと新興宗教に入信したことがある・・・という不幸な経験をお持ちの方もいらっしゃると思います。

これと言って特に信心深くもないおばさんが急にどうして??
という場合はたいてい、その方が精神的に弱っている時に、タイミング良く布教されたケースが多いと言われます。


クネクネ教徒も同じです。


あなたがラウンド中に何かしらの大きなストロークミスをしたとしましょう。ドライバーショットで見たことないくらいスライスしたのか、アイアンでダフったのか、アプローチでトップしたのか・・・・

それはなんでもいいのですが、ゴルファーというものは大抵ストロークで大きなミスがあると、数秒間はかなり精神的に不安定な状況になります。
もう怒りで大爆発!となったり、放心状態に近いくらいがっくりと落ち込む方も珍しくありません。

当然、誰でもその原因を知りたいと思うものですが、そのラウンド中のミスの原因は、残念ながらはっきり特定できないことが多いのです。



基本的にストロークミスの原因は、

・自信がなかった(不安だった)
・集中していなかった(余計なことを考えた)

のどちらかです。このようなメンタル的な理由は目に見えないので、原因の特定が難しいのです。


そんな中、クネクネ教徒はミスをした瞬間「今ね、こうなってたよ」と、急に声を掛けてきます。切り返しが早かったとか、スウェーしてたとか、何かしらのフォーム的な違いを、ミスの原因として指摘してきます。
すごく熱心な教徒は、わざわざスマホで写真や動画を撮影した証拠まで見せてきます(驚)!

確かに、ミスした際のストロークはナイスショットの場合と異なり、見た目にもちょっと変な動作になっていたかも知れません・・・しかし、その原因はメンタル的なもので、その結果(現象)として変な動作になってしまっているだけなのです。

聡明で冷静なゴルファーなら、「いやいや、気にせず次はもっと落ち着いて打とう。」とクネクネ教徒のアドバイスを無視できるのですが、ミスしたばかりでパニックになっている大多数のプレーヤーは、「え、本当??今どうなってた??」とついついその甘い言葉に反応してしまいます。

これが・・・全ての崩壊の始まりです。

一旦これが始まると、もうフォームのことが頭から離れません。常にミスの原因をフォームに求め続ける「クネクネフィードバック」をしながらラウンドし続けることになります。立派なクネクネ教徒の誕生です。

※このクネクネフィードバックが「クネクネスパイラル」を生み出し、まだ信心が薄いクネクネ教徒を、より強固な思想の持ち主にする恐ろしいプロセスを次回詳説します


③上級者(いわゆるトップアマやプロも含めます)
「いやしかし、そんな話は中級以下の話だろう?流石に上級者以上(ツアープロなど)はそんな話に乗る訳が無い・・・」と思われた方もいらっしゃるでしょう。

確かに、絶対数は中級以下の方よりも少ないと思いますが、上級者以上、つまりツアープロの世界にも、教団の魔の手は伸ばされます。

その担い手になる教徒は、いわゆる「ティーチングプロ」です。一般の中級者以下のゴルファーにはyoutubeなどで布教しながら、自分自身はツアープロやトップアマへのアタックを狙っています(理由は当然、ご自身の名前を売る為です)。


では、布教のベストタイミングはいつか・・・ズバリ「そのプロの調子が悪い時」です。あなたがトップアマや研修生、またツアープロでしたら、とにかくこのことを肝に銘じて下さい。


どんなに実績のあるプロでも、長く不調が続くと「一体何をどうすればいいのか・・・」とメンタル的に打ちひしがれることでしょう。しかし、「フォーム矯正」という甘い罠に引っかかって、立ち直れないくらいのダメージを喰らったプロが歴史上どれほどいるか・・・

私からのアドバイスとしては「食生活・睡眠・練習を見直しましょう」だけです。このどれかに不調の原因があることが非常に多いからです。つまり生活習慣の見直しですね。

しかし、クネクネティーチングプロは違います。
間違いなくフォームについて何か指摘・比較をしてきます。調子が良かった時の連続写真か、もっとランキング上位の選手の動画か・・・とにかく不安を煽る材料を持ってあなたの前に現れます。

そして、「もっとここをこうすれば、前以上のショットが打てますよ。私についてくれば・・・」と、あなたをクネクネの世界に誘います。


そんなこと現実に・・・と思うかも知れませんが、よく女子プロの世界でよく耳にする話なのです(そして、大抵そのティーチングプロは男性です。多様化の時代に申し訳ありません)。

「最近ランキング上位にいないなあ・・・」と思っていたプロが、実は数ヶ月前からとあるインドアレッスン場の看板プロになっており、そのインドアに入り浸っている・・・なーんて話は、まーよく聞くわけです。


このように、初心者からトッププロにまで、クネクネ教団の魔の手は常にあなたを狙ってきます。
もし現在、そのような人物が近くにいるなら、最大限の警戒が必要です。

クネクネ教団から自分の身を守る方法については、また後のepisodeでお伝えします。
まずは、とにかくクネクネ教徒から逃げることをおすすめします。


次回は「Episode3 瓦解!深まるクネクネスパイラル」で、そのクネクネ度合いが深まっていくプロセスを詳しく解説します。




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