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幸せなおバカさん

「幸せなおバカさん」と言って、母はとても愛しそうに笑った。

私も笑った。


その通りだよなあって思う気持ちは半分。

でも、見ててよ?って思う気持ちがもう半分。


私たちは、お風呂上がりに、2020年にやりたいことを話していた。

私は、「情熱大陸に出て、紅白の審査員に呼ばれること」そう言った。

「幸せなおバカさん」だよね。私だって、そう思ってはいる。


何者かになりたいだなんていうほど漠然としてないし、

有名になりたいなんていうほどスカスカの目標でもない。

具体的な肩書きとか着地点はわからないけれど、方向性はわかる。

確実に文章。多分小説。もしくはインタビュー。エッセイ。その辺り。


なんとなく毎日を過ごすことの幸せなら、痛いほど知っている。

でも、自分の中に確かにある光を無視して、

今日も明日もなんとなく楽をすることは、私はとてもとても怖い。


私に賞をくれた出版社の人たちや、賞を取れなかった作品でも好きだと言ってくれた人たち。noteにいいねをくれる人たち。新しく始めようとしている小説のビジネスに興味を持ってくれる人たち。この子小説家先生になるんですって笑ってくれるパートナー。本出たらみんなに自慢するわと笑う親友、なんで小説で食べていこうって思わないの?と言ってくれた、もう十数人になる、本当の私を知る友人たち。


そういう、本当に有難く、奇跡みたいな、自分の実力とはちょっと離れているような感じのすることまで、堂々と言ってくれる人がいて。

それで、確かな光を見つけてしまった2019年。



それが、どんな風に世の中に出て、どんな風に他の人生を照らすのか。


本当は、安穏と生きてたいんだけど、

20代前半最後だし自分の若さを愛でながらワイワイしてたいんだけど、

そんなんじゃ、多分2020年を越せない。


よし。




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