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生みの親と育ての親が違うことを子どもに伝える

【 自己紹介 】

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このブログでは、2019年7月にうつ病を発症し、それをきっかけにその年の12月からブログを始めて、それからブログ更新してきました。しがないサラリーマン弁護士である僕が、日々考えていることを綴っています。

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【 今日のトピック:真実告知 】

僕は今、児童相談所で働いています。毎日毎日、仕事で子どもたちのことを考えに考えています。

児童相談所に対するイメージは、人それぞれだと思います。児童相談所のお世話になったことがある人と、お世話になったことがない人でも、印象は全然違うでしょうし、お世話になった人たちの中でも、ポジティブだったりネガティブだったり、本当にいろいろです。

で、児童相談所では、生まれたばかりの赤ちゃんすらも、取り扱いの対象です。例えば、生まれたばかりの赤ちゃんが道ばたに置き去りにされて、その子どもを発見した人が警察に通報した場合、実際に、その子どもにご飯を食べさせて寝る場所を与えるのは、児童相談所の役割です。

児童相談所で子どもが寝泊まりするわけではなく、乳児院や「里親」と呼ばれる個人のお宅で生活することにはなりますが、子どもがどこで生活するのかを決めるのは児童相談所です。

で、こういった、めちゃくちゃ幼いうちに児童相談所のお世話になった子どもたちで考えなきゃいけないのが「真実告知」です。

児童相談所のお世話になった結果、生みの親のもとへ帰ることができたら、「真実告知」なんて考えなくていいんですが、赤ちゃんのうちに児童相談所のお世話になり、生みの親のもとへ帰れないまま大きくなる子どもたちもいます。

ものすごく、たくさんいます。

その子どもたちには、いつも生活をともにしている「育ての親」が、生みの親とは違うことを説明しなきゃいけません。

「真実告知」は、「特別養子縁組」が成立しても、しなきゃいけません。日本には「特別養子縁組」という制度があるのですが、たまに、「特別養子は実子と同じ」と、安易に勘違いしちゃう人がいます。

「特別養子」という名前ですから、実子なわけないのです。特別養子も、まごうことなく「養子」です。だから、生みの親と育ての親が違うことを説明しなきゃいけません。

「知らないほうが幸せ」という考えを持つ人もいらっしゃるようですが、知らないことは、本当に、子どもにとって「幸せ」なのでしょうか。

確かに、子どもが真実を知らないまま一生を終えることもあり得ます。

正直言うと、戸籍を見たら生みの親と育ての親が違うことがわかっちゃうので、子どもが真実を知らずに一生を終える可能性は非常に低いです。パスポートを取得するときに戸籍謄本をとったりしますし、結婚するときにも戸籍謄本は必要です。

長い人生の中で、自分の戸籍を確認することは、十分にあり得ます。だから、「真実を知らずに一生を終える」という確率は、一般的に低いです。

突然、生みの親と育ての親が違うことを知らされたら、子どもは大きなショックを受けます。だから、きちんと入念に準備をしておいて、タイミングを見計らって、子どもに伝える必要があります。

真実告知をしていなかったことで、子どもにショックを与えてしまうのは、子どもの視点から見れば「無責任」なんだと思います。

じゃあ、一生隠し通せたら、それでいいのでしょうか。パスポートも運転免許も取得せず、結婚もしない人生を歩む可能性もあります。

一生、自分の戸籍を確認しないまま人生を終える可能性もあるわけで、その可能性にかけて、「知らない幸せ」を与えるほうが、いいのでしょうか。

僕は、そう思いません。その可能性にかけるべきではないと思います。

育ての親と生みの親が違うという真実は、子どもの人生の基盤になります。「真実告知」をしないと、人生の基盤を、正しく認識できないまま、子どもは人生を歩んでいかなければならないことになります。

世界を正しく認識することは、保障されなきゃいけないと僕は思うのです。

何でもかんでも、正しいことを知っていなきゃいけないわけではないと思いますが、しかし、「生みの親と育ての親が違う」という事実は、人生のあり方を全く変えちゃうので、これを知らせないのは、子どもの人生全部を棒に振らせることになってしまうと思うんです。

「知らない幸せ」というのは、やっぱり、ないんだと思います。人生全部を棒に振ってまでの「幸せ」があるとは、僕は思いません。

子どもは子どもで、「生みの親と育ての親が違う」という現実を乗り越えなきゃいけないのです。本当に残酷ですが。

生みの親と育ての親が違うことに至った責任は、子どもには全くありません。なのに、子どもは、生みの親と育ての親が違うことを乗り越えなきゃいけないので、本当に苦しいのですが、「知らない幸せ」で人生全部を棒に振るよりはマシです。

真実告知によって、感情が揺れ動かない子どもは1人もいないでしょう。しかし、真実告知しないという選択肢はありえない。

だから、きちんと入念に準備して、良いタイミングで伝えるのが、「育ての親」が子どもに見せるべき誠意なのでしょう。

育ての親だけで真実告知の負担を抱え込むべきではありません。この負担は、非常に重たいので、児童相談所の職員など、いろんな人と相談しながら、方法を考えたほうがいいと思います。

ぜひぜひ、いろんな人に相談していただきたいと思います。

それではまた次回!・・・↓

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