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交通事故の被害にあった場合に弁護士の僕ならどうするか-20(無理筋の依頼)

【 自己紹介 】

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このブログでは、弁護士である僕が、もし仮に自分が紛争・トラブルの「当事者」となった場合に、「自分だったこうするだろうな」ということをお伝えしてしています。

僕自身、これまでの人生で大きな紛争・トラブルの当事者となったことがなく、今この瞬間、紛争・トラブルに直面されている方の苦しみや不安を代弁できるような立場にはないのかもしれません。

ただ、自分が紛争の当事者となった際の対処法を弁護士目線でお伝えできれば、それが、ご覧になった皆様のお役に立てるかもしれないと考えています。

あくまで、「僕だったらこうするだろうな」ということですから、ご覧になっている方々に必ずしも当てはまらないとは思いますが、僕のやり方をヒントに、自分なりに応用していただけたら、とても嬉しいです。

ご覧になっている皆様のお顔も名前も残念ながら知ることができませんが、アクセスしてくださり、ありがとうございます。本当に励みになっています。

【 今日のトピック:交通事故 】

昨日に引き続き交通事故について書いていきます。昨日はだいぶ脱線してしまいました。

さて、僕は交通事故にあったのでした。

自宅から車で帰る途中に、赤信号で停車していたら、後ろからヤリスクロスが追突してきました。

1ヶ月前に購入したばかりの新車(最新式プリウス)が追突され、怒りに震えていましたが、修理自体はバンパーと右テールランプを交換するだけで済みました。修理代も、追突してきたヤリスクロスが加入していた任意保険会社(あいおいニッセイ)から支払いを受けました。

(正確には、あいおいニッセイが、修理工場に直接支払いました)

ただ、事故当日の夜から首と腰が痛み始め、その痛みは、7ヶ月が経っても残っていました。

僕は、事故からちょうど7ヶ月後(事故の翌年の1月10日)を症状固定日として、通院していた整形外科の医師に後遺症診断書を作成してもらい、後遺症慰謝料を、ヤリスクロスの自賠責保険会社(東京海上日動)に被害者請求しました。

要は、後遺症慰謝料の支払いを自賠責保険会社に求めたわけですが、その目的は、後遺症の等級を認定してもらうためです。

後遺症が残っていると、僕が請求できる損害額が増えるんですが、増額のためには、後遺症診断書だけでは足りません。

後遺症の「等級」が認められて初めて、後遺症を理由に増額できるようになります。

ただ、僕の被害者請求に対し、自賠責の保険会社(東京海上日動)は、「後遺症慰謝料は支払いません」と回答してきました。

つまり、「等級認定できません」と、東京海上日動は判断したわけです。

(正確には、東京海上日動が後遺症の調査を依頼した自賠責調査事務所が判断したことになります)

この判断に納得できない僕は、訴訟を提起することにしました。

納得できない場合は、訴訟を提起するだけでなく、「異議申し立て」といって、自賠責調査事務所本部の「審査会」に、再調査を申請することもできます。

この「異議申し立て」は、回数に制限はありません。何度でも申し立てることができます。

僕が聞いた話だと、8回目の異議申し立てで、後遺症が等級認定されたこともあるようです。

回数を重ねれば必ず認められるわけではないと思いますが、とはいえ、等級が認定されるまで異議申し立てを繰り返すことも、制度上は可能です。

ただ、そのぶん紛争の解決は遅れますし、支払いも遅れます。

そこまでやるか?という話になります。どうしても。

8回もやっていいんでしょうけど、そこまで付き合ってくれる弁護士がいるかどうかという問題もあります。

弁護士と依頼者との契約は「委任契約」といって、いつでも解約することができます。

だから、弁護士は、依頼を受けた後に、方針があわないことが判明したら、契約をいつでも解約することができます。もちろん、支払いを受けた着手金を返す必要はありません。

だからこそ、依頼を正式に受ける前(着手金を貰う前)に、方針について十分に話し合います。とはいえ、依頼を受けた後に、方針に食い違いが出ることはあります。

まあ、事情が変わっても、すぐに「解約」となるわけではなく、その都度十分に打合せをして、再度方針を固めるのが普通です。

ちょっと事情が変わったくらいで、解約する弁護士はまずいないでしょう。

とはいえ、何度も何度も異議申し立て繰り返すことは、「さすがに無理だよ」と解約する弁護士もいるでしょう。勝ち目がないのにやってくれと言っているわけですから。

「勝てなくてもいいからやってください」という人も現にいますし、弁護士としても、勝ち目がないからといって依頼を受けないわけではありません。

しかし、勝ち目がないのに弁護士に着手金を支払うのは、経済合理的ではありません。勝ち目がないのであれば、弁護士にお金を払わずにいたほうが得なのですから。

そうすると、勝ち目がないのに「やってくれ」と言う人に対して、弁護士としては、「この人は合理的に物事を見ることができない人なんだなぁ」と考えざるを得ません。

それと、「本当に勝ち目がないのにやっていいのか?」ということも考えてしまいます。弁護士に依頼すると、着手金を払うという金銭的なマイナスだけでなく、紛争の長期化による時間的なマイナスも避けられません。

弁護士に依頼すれば、最終的に負けてしまうとしても、訴訟などで必ず紛争自体は終わります。とはいえ、そこまでにかけた時間は戻ってきません(弁護士に払ったお金も戻ってきませんけど)。

最初は「それでもいいからやってほしい」と言っていたとしても、実際に長期間紛争に付き合っていると「やっぱり何も貰えないのは納得できない」と、前言が撤回される可能性も高くなります。

それじゃあ、話が違うんですが、弁護士も依頼者の気持ちを変えることはできません。

それに、紛争が前に進んでいくと、いろいろと事情が変わってきて、当初思っていたことと違う考えに至ることが多いんです。

だから、僕としては、勝ち目がないのに「やってくれ」というお客さんからは、正直なところ、依頼を受けたくないなと思います。

・合理的に物事を考えられない

・前言撤回の可能性が高い

この2つが理由です。

また今日も激しく脱線してしまいました。すみません。しかも愚痴っぽくなってしまいました。

明日はきちんと訴訟提起について書きます(汗)。

それではまた明日!・・・↓

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