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弁護士の僕ならこうやって離婚を進めます-2(婚姻費用にビビりまくり編)

【 自己紹介 】

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このブログでは、弁護士である僕が、もし仮に自分が紛争・トラブルの「当事者」となった場合に、「自分だったこうするだろうな」ということをお伝えしてしています。

僕自身、これまでの人生で大きな紛争・トラブルの当事者となったことがなく、今この瞬間、紛争・トラブルに直面されている方の苦しみや不安を代弁できるような立場にはないのかもしれません。

ただ、自分が紛争の当事者となった際の対処法を弁護士目線でお伝えできれば、それが、ご覧になった皆様のお役に立てるかもしれないと考えています。

あくまで、「僕だったらこうするだろうな」ということですから、ご覧になっている方々に必ずしも当てはまらないとは思いますが、僕のやり方をヒントに、自分なりに応用していただけたら、とても嬉しいです。

ご覧になっている皆様のお顔も名前も残念ながら知ることができませんが、アクセスしてくださり、ありがとうございます。本当に励みになっています。

【 今日のトピック:離婚 】

さて、今日も、昨日に引き続き、離婚についてお話していきます。

少し設定を振り返ると、僕は、とにかく妻と離婚したくてたまらない夫、ということでした。

妻の一挙手一投足が癪に障るので、家に帰っても心が休まりません。人生の時間を浪費していることが耐えられず、今すぐにでも離婚したいと思っています。

ただ、離婚してもらうには、離婚届に妻の署名押印が必要です。

勝手に離婚届の妻の欄に署名押印して役場に提出したいくらいなのですが、それは文書偽造で犯罪なので、そのせいでさらに人生の時間が削られるのは我慢ならないのでやりません。

だから、妻に心から納得して離婚届に署名押印してもらう必要があります。

そのために、僕はどういう方法をとるべきなのかというと、まずは、「離婚したい」と切り出します。

切り出す時間帯は夜になってしまうでしょう。設定では、8歳と6歳の子ども2人がいるので、子どもたちが寝静まった午後11時くらいに、切り出すんだと思います。

本当は、仕事で疲れているので、離婚なんて面倒を増やしたくはないのですが、ただ、妻から離婚を切り出してくれそうにはないので、やむを得ませんが、自分から切り出すしかありません。

本当は、妻から離婚を切り出してもらって、「離婚したいのだったら、こちらの提示する条件を飲んでもらわなきゃな」と言いたいところなのですが、それを待っていては、いつ離婚できるかわかりません。

だから、本当は避けたいのですが、自分から離婚を切り出しました。

僕:前から考えていたことなんだけど、離婚したいと思っている。

妻に、こう伝えました。もちろん、本当は、言いたいことが山ほどあります。もっと丁寧に掃除してほしいとか、おいしい食事を作ってくれとか、太らないでくれよとか、もうお前みたいなおばさんと一緒に暮らせないとか、そういったことを言いたくて仕方ないのですが、そんなことを言ってしまったら、離婚届に署名押印してくれません。

なんか、やたら「離婚届に署名押印」を重視しているようですが、これには理由があります。

もちろん、なるべく早く離婚にケリをつけたいというのがありますが、離婚紛争が長引くと、金銭的にマイナスになってしまうという大きな理由があります。

それは、「婚姻費用」です。夫婦は、別居しても入籍している限り、お互いがお互いを扶養する義務があります。

婚姻費用は、「夫が妻に支払う」という話ではなく、「収入が高いほうが収入が低いほうに支払う」ということなので、必ずしも、僕が妻に支払うとは限りません。

ただ、日本では、男女の収入格差が大きく、仮に僕が結婚した場合に、僕の収入が妻より高いという確率が高いので、今回も、僕のほうが妻より高収入と設定しています。

仮に、僕が収入が低いとしても、妻が子どもを連れて別居してしまった場合は、子どもに対する扶養義務も含めると、僕が婚姻費用を支払うことになる可能性が高いです。

婚姻費用の支払いは、離婚が成立するまで永久に続くので、離婚が長引けば長引くほど、金銭的にマイナスが発生していまいます。僕としては、なんとしてでもこの出費は避けたいと考えているわけです。

昨日も書きましたが、既に、夫婦関係は冷え切っているので、僕が離婚を切り出したことをきっかけに、妻が子どもを連れて実家に戻ってしまう可能性もめちゃくちゃ考えられます。

「いちど冷静に考えさせてください」なんて置き手紙を残されて別居されると、離婚できるかどうかわからないまま、婚姻費用の支払いだけが発生していまいます。

こんなのはぜったいにダメです。

夫である僕としては、とにかく、なる早で籍を抜いて、婚姻費用の支払いから法的に解放される必要があります。

籍を抜いた後でも、子どもに対する養育費の支払いは免れませんが、婚姻費用の支払いよりは安上がりです。しかも、婚姻費用は離婚できるまで続きますが、養育費は、子どもが20歳になれば終了します。

終わりの見えない婚姻費用の支払いから解放されることは、なるべく有利に(=なるべく金銭的な負担を回避して)離婚したい夫にとっては、何よりも急務なんです。

(これを、妻の側から見れば、なるべく夫に婚姻費用を支払わせなきゃいけません。どうしても早く離婚しなきゃいけない事情があれば別ですが、最終的に離婚するにしても、なるべくたくさん夫からお金を引き出すことが大切なので、いろいろと理由をつけて、簡単に離婚しないようにするのも一理あります。)

さて、こういう理由で、なるべく離婚を長引かせないように、つまり、なる早で離婚届に署名押印してくれるように、僕は妻に対して、離婚を切り出しました。

これに対して、妻が冷静に離婚に応じてくれれば、いちばん話は早いです。

妻:わかった。離婚しましょう。

こう言ってくれれば、あとは離婚の条件についての話し合いです。

・子どもの親権

・養育費

・面会交流

・財産分与

この辺の話し合いがうまく進めば、離婚というゴールに到達できます(こういった離婚条件については、明日以降に書きます。)

ただ、問題は、妻が「離婚しません」と言ってきた場合です。

昨日も書きましたが、離婚は相手がいます。相手がどんなことを言ってくるのか、一応は予想できますが、ただ、結局は別の人間なので、完全には予測できません。

「夫婦関係が冷え切っていているからきっと相手も離婚に応じてくれるだろう」というのは「甘い考え」と言わざるを得ません。

夫婦関係が冷え切っていると思っていたのは自分だけ、というパターンもあるでしょうし、夫婦関係は確かに冷え切っているけれども、妻が離婚後の生活を不安に思って離婚を決断してくれない、ということもあるでしょう。

そして、「急に離婚と言われても即答できない」と言われてしまうこともあるでしょう。

こんな感じで、離婚を切り出しても、妻が素直に応じてくれない可能性も十分考えられます。

ただ、その場合は、考える時間をきちんと与えることが大切です。即答を求めるのはマズイです。

3日後とか、1週間後とか、それくらいの期間を設けて、きちんと考える時間を与えましょう。この期限についても、一方的に通告したらダメです。

必ず相手の了承を得ましょう。

なんか、めちゃくちゃ下手に出てますが、さっき説明したように、僕は「婚姻費用」の恐怖におののいているんです。長引いた場合の「婚姻費用」がおそろしくて仕方ありません。

だから、最初は、とにかく下手に出て、相手が心から納得して離婚届に署名押印してくれるように誘導します。

考える時間を十分に与えて、その期限まで待ちましょう。

ただ、長すぎる期限を言ってきた場合(1か月)は、そんなには待てないので次のステップにいきます。

「次のステップ」は、考える時間を与えてもなお、「離婚したくない」と言われた場合にも進みます。

その「次のステップ」とは、別居です。

ここから先は、また明日書きます。

それではまた明日!・・・↓

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