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遺言を残そうと思ったら-16(公正証書遺言を作りましょう)

【 自己紹介 】

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このブログでは、弁護士である僕が、もし仮に自分が紛争・トラブルの「当事者」となった場合に、「自分だったこうするだろうな」ということをお伝えしてしています。

僕自身、これまでの人生で大きな紛争・トラブルの当事者となったことがなく、今この瞬間、紛争・トラブルに直面されている方の苦しみや不安を代弁できるような立場にはないのかもしれません。

ただ、自分が紛争の当事者となった際の対処法を弁護士目線でお伝えできれば、それが、ご覧になった皆様のお役に立てるかもしれないと考えています。

あくまで、「僕だったらこうするだろうな」ということですから、ご覧になっている方々に必ずしも当てはまらないとは思いますが、僕のやり方をヒントに、自分なりに応用していただけたら、とても嬉しいです。

ご覧になっている皆様のお顔も名前も残念ながら知ることができませんが、アクセスしてくださり、ありがとうございます。本当に励みになっています。

【 今日のトピック:遺言を残す 】

今日も引き続き遺言について書いていきます。

さて、昨日は、「いつ死ぬかわかんないんだから、遺言を残そうと思ったらさっさと作っちゃいましょう」ということを書きました。

そもそも僕は、「遺言を書いた後に事情が変わって不本意な遺言だけが残るのがイヤ」という理由で、遺言を残すことに反対の立場です。

しかし、遺言を残さないまま死んでしまうと、相続人だけで法律のとおりに遺産が分割されてしまうので、相続人以外に遺産を渡したい場合や、どうしても法律に基づく相続分とは違う割合で遺産を分割してほしいという場合は、遺言を残す必要があります。

(とはいえ、そう思って遺言を残した場合も、「死ぬまでに事情が変わってしまう」というリスクはあるので、不本意な遺言が残ってしまう事態は起こり得ます)

遺言を残したいと思った場合は、公正証書遺言がオススメで、というのも、公証役場で遺言を作成する際に、公証人と証人2人で遺言能力の有無を確認するからです。

公正証書遺言を作成する際は、公証人が本人と話をしながら内容を確認していき、その様子を証人2人が見ています。

そうやって、会話に問題がないと公証人及び証人2人が判断すれば、最終的に公正証書遺言が出来上がります。

ただ、公正証書遺言と遺言能力の有無は完全にイコールではなく、公正証書遺言の遺言能力が否定された例もたくさんあります。

というのも、公証人と証人2人は、遺言者本人と初めて公証役場で会いますし、公証人も遺言の作成に必要な会話しかしませんから(証人と遺言者本人が話すことはありません)、その会話に特段の問題がなかったとしても、実は本人が遺言内容を理解できていなかった、ということがあり得るのです。

とはいえ、基本的に公正証書遺言の遺言能力を否定するのは難しいので、自筆証書遺言よりは公正証書遺言を作成したほうが、死後に遺言能力で紛争となる可能性は低いです。

だから、(今回の設定で)遺産を人助けに使うために寄付しようと考えている僕は、公正証書遺言で遺言を残し、死後に遺言能力の紛争で寄付先に迷惑をかけないようにしたいと思います。

公正証書遺言を作成しようと思ったら、まずは、公証役場に電話するとよいと思います。

電話じゃなくても、メールアドレスを公開している公証役場もあるので、その場合はメールを送ってもいいでしょう。

そして、公証役場には特に管轄がないので、最寄りじゃなくても、県外でも、どこでも遺言が作れます。

まあ、あえて自宅から遠い公証役場を選ぶ必要はないと思いますが、最寄りの公証役場と日程調整がうまくいかなければ、他の公証役場で日程を調整して作成してもいいです。

公証役場で遺言を作成する際は、実印と印鑑証明書が必要になりますが、必要物は他にもあります。

例えば、今回の設定でいうと、僕は預金口座を指定しているので、その預金口座の口座番号等を確認するために、当日預金通帳を持ってきてほしいとか、事前に通帳のコピーを送ってほしいとか、そういう指示を公証役場から受けることがあります。

「公証役場」って、なんかおどろおどろしいですが、普通の役所です。結構ボロいオフィスを使っていることもあり、ビビる必要は全くありません。

気軽に電話するなりメールするなりしましょう。

証人2名が必要ですが、それも公証役場で用意してくれます。その証人に対する日当は必要ですが、作成費用も含めた見積書を事前にメールで送ってもらうこともできます。

お金を払うのは、最終的に公正証書遺言を作成して控えを受け取る時なので、それまでは1円も払わなくていいです。

見積書を作成してもらうのに費用がかかることもありません。費用が高すぎると思ったら、作成しなくてもいいです。

そんな感じで、公正証書遺言を作成しましょう。

なお、2年ほど前から、自筆証書遺言を法務局で保管してもらうという制度がスタートしましたが、まあ、公正証書遺言を作成したほうがいいでしょう。

法務局は保管するだけなので、自筆証書遺言の内容を本人が理解しているかどうかを確認することはありません。

自筆証書遺言を法務局で保管してもらっていれば、自筆証書遺言が紛失するリスクはなくなりますが、公正証書遺言も公証役場でずっと保管してくれるので、公正証書遺言でいいと思います。

さて、遺言については今日でおしまいにして、次回からは、自分の勉強も兼ねて、児童相談所や児童福祉法について色々と書いていこうと思います。

というのも、実は、先月(2021年9月)から児童相談所の常勤弁護士として働いていて、右も左も分からない中、少しずつ知識を得ているので、自分の知識の整理のためにも、書きたいと思っているのです。

もちろん、手前勝手ではなく、ご覧になっている皆さんの役に立てばいいなと思っています。

それではまた明日!・・・↓

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