交通事故の被害にあった場合に弁護士の僕ならどうするか-18(弁護士費用特約続き)
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このブログでは、弁護士である僕が、もし仮に自分が紛争・トラブルの「当事者」となった場合に、「自分だったこうするだろうな」ということをお伝えしてしています。
僕自身、これまでの人生で大きな紛争・トラブルの当事者となったことがなく、今この瞬間、紛争・トラブルに直面されている方の苦しみや不安を代弁できるような立場にはないのかもしれません。
ただ、自分が紛争の当事者となった際の対処法を弁護士目線でお伝えできれば、それが、ご覧になった皆様のお役に立てるかもしれないと考えています。
あくまで、「僕だったらこうするだろうな」ということですから、ご覧になっている方々に必ずしも当てはまらないとは思いますが、僕のやり方をヒントに、自分なりに応用していただけたら、とても嬉しいです。
ご覧になっている皆様のお顔も名前も残念ながら知ることができませんが、アクセスしてくださり、ありがとうございます。本当に励みになっています。
【 今日のトピック:交通事故 】
昨日に引き続き交通事故について書いていきます。
さて、昨日のブログの後半では、弁護士費用特約について書きました。
弁護士費用特約とは、自分が交通事故で被害を受けたときに、損害賠償を加害者に請求するために依頼した弁護士の費用を、自分の加入する自動車保険の保険会社が支払ってくれる保険です。
僕は弁護士ですが、自動車保険に加入するなら、弁護士費用特約には加入します。
なぜなら、自分が被害を受けた際に、自分で交渉したり、訴訟を提起したりできるとは限らないからです。
交通事故の被害は千差万別で、最悪の場合死に至ります。自動車を運転するということは、自分が死んでしまうリスクさえも引き受けることを意味するのです。
自分が死んでしまったら、当然、自分で交渉したり訴訟を提起したりすることはできません。
死んではいないとしても、脳に重大な後遺症が残ることもありますし、植物人間状態になったり、寝たきり状態になったりもします。
こういった「予期せぬ出来事」に備えるのが保険ですから、僕なら、こういったことが起きても、きちんと貰えるべき金額が貰えるように、弁護士とはいえ、弁護士費用特約に加入します。
じゃあ、そこまで重大なケガを負わずに済んだ場合に、弁護士費用特約を使って弁護士に依頼するかどうかというと、僕なら依頼します。
なぜなら、1つは、弁護士費用特約を使うことに全くリスクがないからです。
自動車保険は、対人保険または対物保険を使うと、保険のグレードが落ち、保険料が一気に増額されます。
「対人保険」とは、自分の過失で交通事故を起こし、その結果、被害者にケガを負わせた場合に、被害者からの損害賠償を保険会社に肩代わりしてもらうための保険です。
この「肩代わり」は、日頃払っている保険料の対価ではあるんですが、いちど対人保険を使ってしまうと、「過去に対人保険を使ったことがある人」と認定され、いわば危険人物として、保険のグレードが下がり、保険料が増額されます。
「対物保険」は、ケガではなくて、物的損害です。
自分の過失で交通事故を起こし、相手の自動車に損傷を与えたり、他にも、事故現場近くの誰かの建物を壊してしまったりと、こういった物的損害の損害賠償を被害者から請求された場合に、保険会社に代わりに支払ってもらうのが「対物保険」です。
対物保険も、対人保険と同様、保険会社に代わりに支払ってもらうと、保険のグレードが下がり、保険料が跳ね上がります。
ちなみに、車両保険も、使ってしまうとグレードが下がり、保険料が増額されます。
「車両保険」とは、自分の過失で事故を起こしてしまった場合に使う保険です。
自分の車両に損傷を与えた加害者がいるのであれば、その加害者に対して損害賠償を請求すればいいわけですから、車両保険を使う必要はありません。
(だから、僕は、車両保険に加入するのは合理的でないと思っています。自損事故の修理代くらいなら自分のポケットマネーから出したほうが安く済みます。相手に傷つけられたら、相手に請求するまでです。結局、車両保険の出る幕はありません。)
さて、話が長くなりましたが、こういった対人保険・対物保険・車両保険と異なり、弁護士費用特約を使っても、保険のグレードは下がりません。
だから、弁護士費用特約を使っても保険料は増額されません。
そうすると、せっかく弁護士費用特約に加入して、そのぶん毎月の保険料を(数百円とはいえ)多めに払っているわけですから、使わなきゃ損です。
この「使わなきゃ損」という理由だけでなく、自分以外の弁護士に自分の事故を客観的立場から意見してもらうというのも、弁護士費用特約を使う理由です。
いくら弁護士とはいえ、自分自身のことは、盲目的になってしまいます。
今回の設定だと、買ったばかりの新車(納車から1ヶ月ほど)が追突され、首と腰の痛みも治らず、僕は怒りに震えています。
こういった怒りに震えた状態だと、どうしても冷静さを保てず、いつも以上に自分に有利に考えてしまいがちです。
そういう状態だと、適切な交渉・訴訟進行ができなくなってしまうので、別の弁護士に依頼して、その弁護士から「仕事」として僕の交通事故を見てもらいたいのです。
依頼する弁護士の選び方は、僕なら、知りあいの弁護士に依頼を打診すると思います。
一緒に仕事していた弁護士であれば、共通理解も得やすいので、その弁護士に打診し、了解が得られればそのまま依頼します。
知り合いの弁護士が近くにいなければ、グーグルマップで「弁護士」または「法律事務所」と検索して、自宅から一番近い事務所に相談に行きます。
弁護士費用特約は、依頼する弁護士に制限はないので、好きな弁護士に依頼することができます(もちろん、弁護士に依頼を承諾してもらう必要はあります)。
弁護士に依頼すると、打合せで事務所に呼び出されることも多くなるので、近いほうが便利です。
また、弁護士がきちんと仕事を全うしてくれているかどうかも、近ければ、直接事務所を訪問して説明を受けることも簡単です。
だから、僕は、まずは自宅から近い弁護士をオススメしています。
ただ、いくら近くても、馬が合わない弁護士に依頼したくはありません。確かに、弁護士費用は保険会社が肩代わりしてくれますが、その弁護士の力量で、最終的に僕が貰える金額が違ってくるので、弁護士選びは大切です。
正直なところ、弁護士の「力量」を、依頼する前の相談だけで見分けるのは不可能なので、僕だったら、依頼する前の相談の段階で、話をしっかり聞いてくれているかどうかや、こちからからの質問に答えられるかどうかを確認し、「まあ、この弁護士なら大丈夫そう」と思うことができれば、それでいいと思います。
僕なら、弁護士の「力量」よりも、話をきちんと聞いてくれるかどうかや、報告をきちんとしてくれるかどうかを重視します。だって、そういった適切なコミュニケーションができないのであれば、いくら「力量」があっても、その弁護士のとってきた結果が十分なものかどうか判断できないからです。
弁護士を選ぶ基準は、「話してみて馬が合うかどうか」。
ここがとても大切だと思っています。
今日はこの辺にします。
それではまた明日!・・・↓
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