返り血浴びるほどに

先日、サカナクションのファンクラブに当たる「NF member」において、ポイントシステムが導入されることが発表されました。サカナクションのファンクラブには年会費会員と月額会員があり、このシステムでは年会費会員が対象となります。
https://sakanaction.jp/feature/pointprogram?_normalbrowse_=1

今回の諸々の発表まで全く知らなかったのですが、今年の5月に行われるアリーナライブのチケットが落選祭りだったそうです。理由として兼ねてよりファンが増えているサカナクションでは、ファンクラブ年会費会員に対するチケット抽選、確保が難しくなっているとのこと、また今年はオリンピックの兼ね合いもあり、特に関東で、会員数に合わせた十分なライブ会場を押さえられなかった、とのことでした。

また、本人達はどうやら長い間ファンクラブ会員である人に対して「なにかしら、感謝を形にしたい」と考えていたようです。そこで、ファンクラブを入ってるだけでなくて、サカナクションにまつわる活動に対して、行動することをポイントとするシステムを考案されたみたいです。長い間ファンクラブ会員である人にはもちろん、短くとも、ポイント換算されるいくつかの行動を継続的に行っている人には、チケット抽選を始めとするサカナクションの活動で、アドバンテージを得られるシステムでした。以下ファンクラブ活動とします。

このシステムは4階層に分けられていて、水面(0〜499)、浅瀬(500〜2999)、中層(3000〜5999)、深海(6000以降)とされています。スタートは基本水面からなのですが、ファンクラブの継続年数によってスタート時の所持ポイントが違っていて、継続8年目になると、最大値の5,000ポイントからスタートです。それぞれのステージ差として、水面から中層ではチケット抽選においての序列差くらいですが、深海になると限定グッズや限定生配信、またライブでVIP座席に応募する権利が得られるようです。

また逆に、ステージ維持のために最低獲得ポイントがそれぞれの階層で設定されています。これは各ステージで活動されている方がより優遇されるよう、流動的にするための措置ということでした。

今回のシステムでいくと、自分はこのNF memberに属して8年目で、スタートから5,000ポイント持っていることになります。記憶が定かならこのファンクラブ発足当時から会員なので、最古参とでも呼ばれるのでしょうかねえ。ポジティブに考えると自分は、1番楽に、最も優遇される「深海」会員になれるな…と思いながら、しかし何故か、圧倒的に貶されたような思いも抱えています。極端に混乱しているような感じもあり、それを言語化してみようと思い、筆を取りました。内容としても、文体としても極端に読みにくいかと思われますが、良ければ。

今のところモヤっとしてるのは、ファンクラブ活動自体を半ば義務化されたこと、体調の悪い一郎さんが補足し直していたこと、そして活動スタイルとシステムの不一致…です。

個人的な考えとして、ファンクラブ活動を行わせることを強いるような形になっていることに納得がいきません。どのような関わりであっても、その人のバンドを好きなこと、バンドに関わろうとしていることをポイントにする仕組み…というほどまだ項目が定まってないと思います。

CD、DVDの購入については、ファンクラブサイトからやライブ会場で買えばポイントになるのだと思われますが、その他は0です。またサブスクで聴くようなスタイルの方も0となってます。と考えると、現状ではアーティスト側がファンクラブを用いた活動にのみポイントが付いていて、その他のものは排他するのだなと。
いやファンクラブの年会費会員対象で探ってんだから当たり前だろと思う反面、わざわざそのようにアーティスト側が分かる形を強いるなら、年会費上げてもらう方がすっきりするのになと。

次に体調を崩された一郎さんが補足していた点についてです。このシステムどうこうの前に、いや、泣き落としかと…。本人にそんな気がないのは重々分かっているつもりですが。

また現状どの話も公式からの発表は行われず、結局はアーティスト本体、メンバーやスタッフそれぞれのアカウントをフォローしてないと分からないし、さらにインスタやファンクラブのコミュニティなど、話が点在する形になっていて…。一郎さんのインスタライブももう確認出来ないため、現状はとてつもなく分かりにくいなと思います。

そして最後ですが、そもそも前回のアルバム「834.194」のリリースは約6年ぶりとかなりスパンの開いた形になりました。作品自体は個人的にも好きですし、6年という時間も長いとは思いませんでした。しかし、上記のファンクラブ活動にライブやグッズの購入、生配信の視聴がポイント化されるとなると話は別になってきます。

彼らの活動スタイルって、ツアーこそおおよそ一年に一度は行われてますが、作品リリースはかなり流動的です。またリリースが詰まってくると、一郎さんは心身問わず体調を崩されるようで、過去のアルバムインタビューではその話が散見されます。

で、個人的には、アーティストの活動を急かしたいとは全く思ってません。なにかを音にする、言葉にする、景色にするという活動に時間がかかること、ある意味で待つことが苦ではない。その間に年会費をいくら使おうとダメージなんかないです。だけど、そうやって待ってる間にも会員限定のコミュニティで発言しない限り、グッズを買わない限り会員として落とされるのは、あまり納得がいきません…。

おそらくレコーディング中、制作中と考えられる時期は、グッズや情報の更新が止まっていたので、今後はもしかしたらそれをアーティスト全体として無理するのではないかなと。特に山口一郎さんは、歌詞を書く間はネットや外界との関わりを断つようですし、その間他のメンバーが配信されるのかもしれませんが、そこも楽曲制作においては空いてる時間ではないと推察されます。バンド以外の活動も増えてこられましたが、まだまだ東京での開催ばかりですし、そもそもそれはシステムに組み込まれていません。用意できるかわからない料理の事前予約、おせちみたいですが、そこまでしてファンからの関わりを、動きを求めて続けて、このバンドはどうなりたいんだろう…。年会費だけじゃ、作品購入だけじゃ、年一回の地方ライブを見るだけじゃ、ダメなんだな…。

ひとまず以上です。ここまでお読みいただいたあなた、本当にありがとうございました。これだけ書いておいて、ただ嘆く場所が欲しかったのだと確認できました。手放しでは「今後にご期待!」とは、今回の事案ではいけませんでした。そのくらい、今のところは無理のあるシステムだなと思いました。

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