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ドキュメント・桜花爛漫~全通への道~第2部:最大の試練を乗り越え名古屋へ

(第1部:大阪編はこちら

今回のツアーの4都市は、大阪・名古屋・東京・仙台。
関東圏からみれば最遠、最難関の大阪をクリアした時点で、もしかして「全通」があり得るのでは?という意識は多少あった。大阪遠征ができるなら名古屋も仙台も距離的にも時間的にも行ける。毎週ではなく3週間おきというマイルドな間隔。そして関東圏からの遠征組の帰り時間を考慮してと思われる16時開演という時間設定、はじめての全通を狙うにはまたとないチャンス、自分が全通達成するために設定されたツアーにすら思われた。

とはいえ、大阪が終わった時点では、悪いライブではなかったけど正直これを見るために2回も3回も遠征するほどの内容ではないようにも感じていた。もちろん初日には初日特有の「生々しさ」がありそれを楽しむという狙い通りではあったのだが、ツアーを進むことによって熟成された状態を見るのは、東京まで待っても十分かなという思いはあった。何しろもうグッズは手に入った。どこでも堂々とまかはのタオルを掲げることができる。名古屋行かなくたって1か月間は非遠征勢に対して優位に立てる。
大阪の最後で推しには、大阪来れても名古屋来れるわけじゃないから、ちゃんと名古屋は名古屋のオタクを見つけてライブに連れて行くんだよ、と伝えてあった。

Spotifyのプレイリストを流しながら大阪の余韻に浸るうちに、構成の素晴らしさが後追いで実感されてくる。もしかしたら、自分が気づかなかっただけで実はめちゃくちゃ良いライブだったんじゃないかという思いが出てくる。

名古屋に行くとすれば、東京の前にこのライブをちゃんと楽しんで、良さを理解しておきたい。できればフロア最後方ではない中段でオタクの熱量も感じながら。

3月28日。NIG FESにて2階席後方からタオルを掲げ、早速グッズ購入の成果を発揮した。NIGのグランプリは課金要素が強い賞だけれども、今年の決勝戦を全編通してみた上で、きちんとステージ内容でも上回っている、堂々とグランプリを名乗れる内容であることを確認できる良いライブだった。

とりあえず名古屋のことは置いておいて、東京公演のチケット申し込みが始まったので、第1部だけSチケットで申し込む。今回のチケットはSチケット(7,500円、優先入場、終演後Sチケット限定の特典企画あり)とAチケット(3,500円)の2種類ある。東京の第1部くらいはSチケットで見てあげたい。第2部は終わったらすぐに帰るつもりでもあるし、先行抽選終わってからゆっくりAチケットを買えばいい。

4月5日。その日はiSPYはShowroom配信のみの稼働だったこともあり、旧知のアイドルのリリースイベントに参加するつもりで、優先入場券を確保した後に食事をしながらiSPYの配信を見ながらXを眺めていると、18時に東京公演の当落発表があったようでTLがざわついている。えっ落選祭りっぽいんだけど…?
急いでメールを確認する。
「厳正な抽選の結果、チケットをご用意することができませんでした。」
まさかの、Sチケット落選。噓でしょ。。。

そういえばSチケットは40枚限定という情報を抽選申し込みの締め切り直前に見かけた。その時はふーんそうなんだくらいでスルーしていた。大阪ではSチケットで入る人の方が多かったくらいなので、まあ申し込めば当たるでしょくらいに思っていた。仮にも前体制ではZepp Shinjukuでやったことのあるグループだ。東京で同じ枚数に絞ったら激戦になるのは当然だ。

普段はSチケットとか前方とか全然気にしないタイプのヲタクではある。安い券種で入っても案外見やすい位置が取れたりするものである。
しかし今回ばかりは話が違う。完全にシナリオが狂った。

40枚に絞った運営が悪いわけではない。完全に自分の読みが甘かった。
ちゃんと倍率高いことを覚悟していれば、今週のカメクロの特典会の時に「東京はSチケットの倍率高いだろうからSで入れないかもしれないけどAチケットでも入るからちゃんと見つけてね!」という話をしておくこともできた。お互いの期待値を事前にすり合わせておくことができた。
なのにすっかり取れるつもりでいたものだから、今週のカメクロではツアーの話は全くせず、カメクロにあるタピオカ屋さんの話をうんうんと聞いてしまった。次のカメクロで「東京1部だけはSチケットで行くからね」って話ができるつもり満々でいた。

東京1部のSチケット限定特典にはiSPYが普段やらない「握手会」があった。これが競争倍率を高めたのもあるだろう。
Aチケットで入ったとして、終演後Sチケット勢が握手会をやっている時間を外で待機してから特典会に行くのは耐えられない。

もはやこれまでか。
Xに他界を匂わせるポストをし、他のオタクのツイキャスに愚痴をこぼすくらいに追い込まれていた。
もともと細く長く推せる状況は想定していなかった。今月はもうオタクしてる場合じゃなかった可能性を考えながら、だからこそ暴走気味に走ってきた。3ヶ月走り切って自分の役割は果たしたのかな。ここまでの縁だったかな。楽しかった3ヶ月のことを思い返しながら、まかはに合わせる顔がないななどと悶々としながら眠れない夜を過ごす。

4月6日朝9時。iSPYの公式Xにて、東京Sチケットについて「FC先行抽選の未入金流れによりプレイガイド先行先着でも【若干枚数】 販売される」ことが告知される。
待て待て昨日当落発表でもう未入金流れはおかしいやろw
もともとプレイガイド先行用の枠を置いていたか、枠を急遽増やしたか。
そんなことはもはやどうでもいい。とにかく目の前にSチケットが取れる可能性が提示された以上、それが空売りだろうが1枚だろうが、チャレンジするしかない。負けたら他界覚悟で叩き勝つしかない。
これまでのありとあらゆる先着チケット争奪戦の経験を思い返す。あまり成功した記憶はないが、確実に言えることはスマホでは無理、PC一択である。

4月7日朝9時30分。PCを持って子どもに邪魔されない場所を確保する。
楽天チケットにログインを済ませ、住所等の個人情報が自動で入ることを確認する。
スマホはアナログ時計を表示させ、10時ちょうどに画面更新をする。

10時01分。Sチケット確保した!
肩の力が抜けた。

もしかしたら、Xの荒れ具合を見て運営が急遽枠を増やしたのかもしれない。Sチケット落選くらいで大騒ぎして運営方針を変えさせるというのはオタクとしてはやってはいけないことだったかもしれない。
でも、その分ちゃんと責任もってリターン出しますよ。4月のカメクロ残り2回はもちろん行くし、東京2部もAチケットでゆっくり確保する。

そして名古屋も。今回は流れてきた譲りますポストを既にブックマークしてある。仕事の状況、家庭の状況を再度確認して、満を持して3日前の4月11日午後7時。DMで連絡を取りチケットを確保する。Sチケットである。東京の前にSチケット限定特典の雰囲気を確認する意味合いもある。

名古屋は、昨年も一昨年もPerfumeで行っている、遠征先としては比較的慣れ親しんだ場所である。3週間前の大阪に比べれば、千葉方面からだと渋谷に行くのと錦糸町に行くくらい心理的距離感が違う。4月14日当日、大阪遠征と同じくらいの11時頃に出発して、開場1時間前には余裕をもってライブハウスに到着する。時間が余ったので近くの大須神社から大須商店街を散策する余裕すらある。

まだ時間があるもののライブハウス周辺に戻ると、1部の3マンから来ていたパティシエ(iSPYのファンのファンネーム)さんが集まっていて、声をかけられたりもする。通い始めは誰一人知り合いがいなかったiSPY現場で、少しづつ顔見知りが増えていく。

開場。譲っていただいたSチケットの番号が良かったこともあり、前方2列目に陣取ることができた。グッズもチェキ券も持っているので物販に並ぶ必要がない。名古屋で追加されたグッズはあるが、まあ東京仙台でも追加されるでしょうととりあえず見逃す。

SEからの1曲目。「未来」えっ?大阪では最後にやった曲ではないか。2曲目は「Dream Melody」。これは大阪ではやっていない曲。もしかして全然別物のセトリを用意しているのか?この時点で期待感は爆上がりする。
3曲目で「このドキドキ♡なんですか?」が来てようやく大阪と同じパターンが来る。今回の撮影可能曲はこれではないらしい。せっかく2列目にいるので今回はちゃんと撮りたい。

MCを挟んで4曲目は変えず5曲目は変えてきた、そして6曲目に大阪からは1つ順番を繰り下げて「Precious Pieces」。イントロ中にこれが撮影可能曲であることがアナウンスされる。イントロで言われたらイントロ撮れんのや!慌ててiPhoneをステージに向ける。

「Precious Pieces」はゆったりした楽曲なので対バンとかには持っていきにくいのだけれど本当にいい曲で、特に落ちサビで萩田こころ、三葉みゆの二人が背中合わせで歌うところはフレーズの重みもあって何度見ても鳥肌が立つ。基本推しを追いかけつつ全体を撮っていたが、このシーンだけは二人にズームして撮る。

第2セクションが終わった後のMC。瀬乃かなが、今回ツアー仕様にアレンジされた7曲目「さよなら流星群」の歌詞の意味について語り始める。「変えてあなたを守りたい」の部分以降は主人公の心も前向きになる、という話。
やや唐突気味に思いを語るアイドルと、それを見守るフロア。その時間の共有が、アイドル側も、フロアの一体感も高めていく。
MC明けの「好きになれ!」から明らかに一段ギアが上がった。フロアの盛り上がりが最高潮。その勢いで念願の「青春Shower」で隣のオタクと肩を組むこともできた。

最後の曲が、大阪では最初にやった「僕とあの子とetc…」。大阪とは最初と最後を入れ替えて、途中の曲は一部固定しつつ一部差し替えて全く違うライブの色を出す。これが「全公演をワンマンライブとして違うものを見せる」の意味だった。

終演後、Sチケット限定ミート&グリートに参加。メンバーによる感想戦トークと、推しからのサイン&トークありの色紙をもらう。

Sチケットが7500円、Aチケットが3500円。サインありチェキ券が1枚2000円だから、チェキ2枚分の価格差があるが、ちょうどそのくらいの価値がある時間であった。よってチェキは2枚でフィニッシュ。チェキ列と対応するアイドルを眺めながら、知り合ったパティシエさんと交流しながら、ゆっくりと時間が過ぎていく。

終演まで見届けて、名古屋駅に戻り、Perfumeで来た時には混んでて行けない山本屋さんの味噌煮込みうどんを食べて(それでも40分待ちだった!)、日付が変わる頃に帰宅。

全体として満足感が非常に高いライブだった。このことが、かえって次の東京までの時間を不安にさせるのであった。

つづく






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