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社会人3年目で見つけた「育成」の軸

社会人3年目がそろそろ終わる。この3年間で、「人に言葉で必要以上に伝えること」を辞めました。

そもそも言葉で言って伝われば、何事も苦労しない。では、どのような方法で伝達すべきなのか?今回は「育成」にフォーカスして、この3年で見出したことを記録します。


言葉よりも大切なこと

自分の行動で示すこと

会社という組織は人の集まりである。人が集まるということは、色々なバックグラウンド、思想、価値観のが1つのコミュニティの中に存在すること。

その中である一定の秩序を保つのに必要なことの1つに「ルール」があります。就業規則やコンプライアンスなど、さまざまなルールに囲まれて仕事をすることで、健全に労働ができるんだと思います。

既述の通り、人の集まり=色々な考えの集まりです。まとめるのは難しい。ルールがないと誰かが損をしたり、傷ついたり、そういう弊害が生まれます。ルールと一口に言っても、違反時の罰則や遵守するハードルの高さ、色々あるでしょう。

それでも人がルールを守るのは、そのルールに目的があるから。その目的=ルールを遵守することで得られる利益を示すこと、それはルールを守らせる立場の上司・先輩の仕事であると考えています。

ルールを守ってほしいなら、まずは自分がルールを守る。いくら上司。先輩が「ルールを守りなさい」と言葉で伝えても、その本人が守っていなければ説得力がないし、「なぜ守らないといけないのか」がわからないですよね。

それでも最初はルールを守るだろう。ただ長くは続きません。目的や意味のわからないことを継続する力のある人間は、とてつもなく少ないからです。

人にやってほしいと思うことは、まずは自分がやる。それを見た周りの人が自然と一緒にやってくれる。長く意味を持つルールは、そうやって成り立ってきたのではないでしょうか。

だから私は、部下・後輩に守ってほしいことは自分もやる。ただそれだけでも、自分に説得力が生まれて人がついてくるようになると思います。

部下・後輩を信じること

2年目まで、私は常に仕事に対して「自分がやらなきゃ」と思っていました。もちろん、今でも自分にしかできない仕事・自分がやるべき仕事に対しては「自分がやらなきゃ」という気持ちは忘れていません。

でも、仕事のすべてがそのような「自分だけのもの」ではないと思います。

今自分がこなしている仕事は、「いつかは誰かに預けていくもの」がほとんどです。いつまでも自分のものではありません。

じゃあ、どうしたら他人に自分の仕事を預けられるのか。

それは預ける相手を信じることです。

もし、これを読んでいる人の中に「ダメな後輩なんて信じられない」と思っている人がいたら、多分それはあなたが人を見誤っています。
(もしかしたら本当に何を任せてもすべてを台無しにして、何の収穫もない結果しかもたらすことのできない人もいるかもしれないけど、確率的にはかなり低いと思います)

どんな相手でも、何かの分野・領域においては適していることがあります。細かい作業なのか、思考を巡らせることなのか、人とコミュニケーションをとることなのか。それは人それぞれですが、この世に「適材適所」という言葉がある通り十人十色の長所があると思っています。

その人の得意そうなことを見極めて、その分野の中でのその人を信じる。そうすれば自然とその分野における仕事を任せられます。

上司・先輩は部下・後輩を見極め、その人にあったものからやってもらう。慣れてきたらその次に得意そうなことを任せる。そうして後輩は自信がつき、そのうち勝手に吸収し、学んで成長していきます。

その機会を与えるのはまさに、上司・先輩の仕事だと私は思います。

ミスをさせること(挑戦をさせること)

失敗は成功のもと。大抵のミスにはこの言葉は通ずると思います。
(人命にかかわること、法律にかかわること、全財産レベルのお金にかかわることなどは例外だと思いますが)

私もいくつもの失敗やそれによる上司・先輩からのお叱りで気づいたことや見えてきた自分の短所・苦手分野があります。自分を理解することは成長の近道であり、それを知るのに大きな影響を及ぼすのが「失敗」です。

もちろん成功も必要ですが、成功だけで成長は継続しません。そのうち自分の壁にぶち当たって、成長が止まります。失敗は違う。考え、見つめなおす機会を与えてくれます。

上司・先輩が失敗をさせまいと思うのは、元々完璧主義な私には痛いほどわかります。でもどうせ死にはしないのだから、大いにミスをさせて頭を働かせ、心に刻ませる方が長い目で見たときに大成功に導くかもしれない。そう考えたら、後輩には自身が「後輩」であるうちにいっぱいミスをしてほしいといつも思っています。

注意しなければいけないこと

言葉で伝えるべきこともある

ちょっと、言ってることめちゃくちゃだよ。そう思われるかもしれませんが、言葉もやっぱり大切です。言わないとわからないことの方がもしかしたら多いかもしれない。

でも言葉というのは、事実や表面的なことを伝えるツールであって、その本質を伝えるものではない。

言葉で理解してほしいこと、やってほしいこと、その理由、意図を伝える。そして行動で説得力をつける。言葉と行動の役割が別であるということをとらえ、きちんとその役割を使い分けることが大切だと考えます。

なんでも任せればいいわけではない

部下・後輩を信じて、なんでも任せて責任まで擦り付けちゃえ!と言いたいわけではありません。

上司・先輩は自分の指示のもと働く部下・後輩の責任をある程度とる必要があります。指示を聞かなかった、故意に悪事を働いた後輩がいたら、その限りではないかもしれませんが、基本的に上司・先輩(特に上司)は部下・後輩の管理責任が問われます。

必要以上に責任まで押し付けて自由に放任する、無理をさせて自分は何もしない、これはかえって部下・後輩からの、時と場によっては顧客などさまざまなステークホルダーからの信頼を失う可能性もあります。

任せる範囲の線引きは明確に、現実的に考えて仕事を任せましょう。

後輩への指示は自分の責任範囲内で

ミスをさせることは大切な育成のプロセスの内の1つです。でも、責任を取るのはもちろん本人。だけではなく上司・先輩もです。

ミスをすることに前向きな心情の人間は恐らくそこまでいません。だからこそ安心して挑戦できる環境を作ること。ナメられろというわけではなく、純粋に何かあったらきっと救いの手を差し出してくれる、ヒントをくれる、そういう安心感が必ず必要です。

ただミスしても何でもいいよというスタンスをとるのではなく、「この人がいるから安心して挑戦できる」という環境を作っておくことで有意義なミスが生まれるのです。

ミスをしても適切に処理をすること、処理の仕方を指示すること、それができる前提でミスをさせないと、ただ失敗した本人が傷ついて終わるだけになってしまい何の学びにもなりません。

そして、そのミスに対するフィードバック・アフターケアをすること。

ミスすれば100%勝手に学びにつながるわけではない。なぜそれがだめなのか、なぜ失敗につながってしまったのか、次はどうすべきなのか、一緒に考え歩むこと。それが本当の「失敗は成功のもと」を実現できる環境です。

さいごに

偉そうに、世間ではまだひよっこの3年目が「前よりは大人になったかな~?」と思えるタイミングを迎えたのでこのように育成の軸を記しました。

育成に成功はない。人によってスタイルややり方は違うでしょう。

成果とか利益とか効率とかを求められる現場で、「人」らしさを欲した結果たどり着いたやり方が、この記事に書いたことなんだと思います。ちょっと昔によくテレビで流れていた学園ドラマの熱血教師のような、無機質な環境でも人と向き合うことを忘れない先輩でいたい。そんな志をもって、胸を張れる大人になれたらと思います。

まだまだ未熟な私のこんな記事を、最後までご覧いただきありがとうございました。


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