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食物経口負荷試験のあとで

食物アレルギーの治療として 
症状の有無を調べる「食物経口負荷試験」
先月 娘がその治療のため入院した
目標量を決めて 食べても大丈夫かどうかを調べる
うどん10gを摂取した結果 症状が出なかった

目標量をクリアできたので無事退院

実をいうと
過去に同じ10gを自宅で摂取後
激しいアナフィラキシーを起こし、怖い思いをした経験があり
そこから摂取量を増やすことができないで今に至っていた
だから10gクリアしたといっても
この先の自宅での継続摂取の治療に大きな不安が残る

それでも 
怖いと思っていた10g 
とりあえず今日は大丈夫だったことを喜ばなければと思った

そして、娘の願いを叶えるべく 
退院したその足で 2人で回転寿司店へ向かった


私も17年ぶりに入る  回転寿司店

いろいろ驚いた
寿司が回っていなかった
威勢のいい「いらっしゃいませ!ご注文をどうぞ!」の声はなくなっていた 
ホールスタッフが一人しかいない 静かな店内
受付の端末で 席を指定する番号札がプリントされ
自分でさがして席に着く
注文はすべてタブレット
操作に戸惑う
注文した商品だけが  ベルトに乗って自分の手元に届く
猛スピードで滑り入るベルトの上に
見本写真とは  かけ離れた チープな寿司
若い女の子たちが寿司は食べずに飲み物だけで談笑している

まるでタイムマシンに乗って、数年先の未来にきた人間のように
キョロキョロとオドオドを繰り返す私

娘は以前、友達と この店に入りパック入りジュースを飲んだ経験があった
ひと通りの流れを知っていた彼女は、私の様子を笑って見ていた
自分も初めて来たときはそうだったと


終始楽しかった

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プリントアウトされた「アレルギー情報」をお借りして
小麦と卵の使われていないものを選んで食べた
娘は13皿完食 

微量混入が避けられない外食
初めて試す外食店なのに13皿も食べるのは不安だった

実際、私の注文したマヨネーズ系の軍艦と
娘の注文したマグロの握りが
同じ皿に ぴったりくっついて届いたときは
マグロにマヨネーズが付着していた

厨房の様子が見えない外食
これから先も 万が一の事態に備え
エピペンと飲み薬と吸入薬をそばにおいて 外食を楽しむことになりそう


娘がずっと憧れていた回転寿司店での食事
こうして経験できる日を迎えてみると
娘が生まれてからの17年が
意外と短かった気もしてきた
こんな日は永遠に来ないと思っていたから

ひとつ前進した 私の臆病心
アレルギー情報を提供してくださる方々に感謝しながら
歩みを進めようと思う

娘の方は もう当たり前のように回転寿司店へ通うようになり
今夜も夕食は「寿司食べて帰るー」とLINEで一言

自宅で待つ私は やっぱり怖い




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