匂わせをする女の子に恋をした

僕は生まれてこのかた恋愛経験がほぼないに等しい。もちろんぼくがそこまでかっこいいわけではないという理由もあるが、自分の恋愛の仕方が下手だったという理由が大きいと思う。例えば、自分が好きになった子に告白するのを躊躇い、もたもたしているとほかの男の子がその子を持って行ったり、その女の子は僕のことを友達としてしか見てくれなくなったり、、、好きな子ができても恥ずかしくてなかなかデートに誘えなかったりして、いざ告白してみると、女の子に「もう少し早ければ。」「あなたを恋人ととしては見れない。」なんて言葉をかけられたりもした。

そんな僕にも好きな人ができた。受験の最中から好きだった僕は受験が終わって少ししてから告白をした。結果は、一週間待ったのちに振られた。正直振られるとは思ってもいなかった。夜にはよく電話をしていたし、そこまで家が近かったわけではなかったが駅で待ち合わせをして、ゆっくりと家まで帰った。LINEのトーク画面にも脈という脈が溢れていた。友人に相談しても「これなら心配なさそうだし、早く告れよ。」と催促された。そして、告白当日、カフェでスイーツを食べたのち、少し大きめの公園を散歩したりして、公園で二時間ほど話をした。その時間はあまりにも一瞬で、とても楽しかったことを鮮明に覚えている。その後、プリクラを撮りに行き、最寄り駅まで電車で一緒に帰った。その電車内で僕は告白をするために「公園でブランコしない?」と誘った。彼女は「うん。」と返事をしてくれた。公園まで一緒に歩き、帰宅の時間を気にしながらたわいもない話をした。ただ、今回は何を話したのか一切覚えていない。緊張していたためだ。時間が迫ってきた頃合いに僕はブランコから立ち上がり、ありきたりな告白をした。彼女はとても驚いた様子で、僕にとって予想外な言葉を発した。「私、恋愛対象入ってるの?」と。その後のことはあまりよく覚えてはいないが、気づいたら一週間経っていて、振られた。一週間は何もできず、一か月は欲という欲がなくなった。

三か月たったタイミングでようやく立ち直れた。サークルで目を見張るほど可愛いくて気の合う子に出会ったからだ。今はその子に必死にアプローチしている。先日コムドットやまとの初著書聖域を読み、もう恋愛でためらうことをやめたからだ。なぜこの本をこれほどまでに自分に響いたのかというと、それには明確な理由がある。振られて二か月ほどした時に、振られた子に「あと一か月早ければよかった。」という言葉をかけられたからだ。「まだはやい。」、「まだはやい。」、「もう少し慎重に。」、と告白できない自分を肯定していた自分を恐ろしいほど憎んだ。コムドットやまとは恋愛では猪突猛進するらしい。好きになれば好意を伝え、自分を優先してほしいと伝えるそうだ。しつこく電話を掛け、デートの予定を立て、なんとかして恋を実らせるのだと。自分もやまとを見習おうと思い、サークルで出会った子にバイトの帰りに急に電話を掛け、約束を約束を二つ立てた。もう躊躇うのはやめると決めたのだ。

恋に悩める同志よ、根拠のない自信でもいいからそれを持って、後悔しない恋をしよう。僕はもう後悔しないと決めた。上手くいかないことはあっても、それが後悔にならないような行動をしよう。

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