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5月ある日

朝は寒い。
昨夜はこのままでは風邪をひくと長袖を着て寝た。窓は開けっぱなし。
左に寝返りを打つと目が覚めるほど乳房がピリピリと痛む。なんだこれは。
しかし覚醒するほどではなく、眠気が勝つ。

なかなか起きられず、小刻みにアラームを掛け直し、寝坊したと思って飛び起きる。心臓に悪い。

空腹で起床。卵かけご飯を食べる。

うんたらかんたらと仕事をし、書きもの仕事をやっと手放したと思ったらすぐに戻ってきた。ぐぬぬである。
印刷室の仕事を手伝い少し残業。

好きな人の体調に翳りが見える。
素直に心配する気持ちと、やっぱりかと思う気持ちが同時に立ち上る。
このやっぱりかという感情は、好きな人に対してではなく事象に対してで、ジンクスのようなものだと思っている。
これまでの人付き合いを思い返すと、予定の直前には相手の調子を伺い過ぎてしまう。
聞くのではなく、相手が面倒になっていないか、無理していないかと言葉の端から探りを入れる癖がある。

昔、好きだと言ってもらえない、言わせてももらえない恋愛関係があった。
その人は、私に対して親愛の情はきっとあったものの、それを表現するのを苦手としていた。
そのうちに遠慮ばかりが働き、愛情表現を控えて、ついに些細なことを話すことが億劫になった。

今、好きな人に好きだと言えることが嬉しい。
ゆっくり休んで回復してほしいと願う。元気でいてほしいし、いないと寂しい人。

MUDAで配信されている「TRAIL」を夢中で観る。
上出遼平さんと俳優の中野太賀さんとPIKOさんの三人がアラスカを4日間歩き続け、目的地である湖で一番うまい酒を飲もうという企画。

会社の裏山で風に揺れる木々を見るだけで、地球というは人間の思惑の外で、伺い知らないところでこそ動いているんだと常々思う。
アラスカのだだっ広い土地、そこに住む動物、人間にとって都合のいい配慮などない自然。
iphoneの画面で、狭い湯船に浸かりながら見て、地球という場所に想いを巡らせる。

俗物である私は、TRAILを見ながら体毛の処理をし、水不足によるそこはかとない恐怖のなかで水源を探して歩き続ける三人をよそ目に顔や体を保湿し、髪を乾かした。

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