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5月14日(火)

晴れているのに薄暗い。朝靄に気づいて体を起こす。
肌寒く、この時期の朝靄は珍しく、秋の記憶を思い起こす。

朝一番に体重計に乗り、久しぶりに上昇している数値を見てぞっとする。
食欲が落ち着かないのは生理前だからなのか。
一体何日前から生理前ということを理由に使っていいのだろうか。

割と最近、二つある卵巣から交代に排卵をするということを知った。
私の卵巣は片方の具合が悪く、そちらから排卵する月は生理前にはリンパ節を腫らし、強い痛みを引き起こすと思っている。
もう一方は生理前にむくみと共に体重増加、そして永久機関が出来上がったのかと思うほどの食欲が湧いてくる。どうやら今月はこちらの仕業じゃ無いかと目論んでいる。
臓器で起こる事に毎度新鮮に人体の不思議だと思いを馳せる。

今日の午前中は食欲と集中力の戦いだった。
休憩のチャイムと同時に社外へ出る。
朝靄や肌寒さが幻想だったのかと思うくらいの青々とした空と陽気にぐんぐん自転車を漕ぐ。
目指すは橋の向こうのコンビニで、道すがらあまりにも気持ちがよく写真を撮る。

働く会社の近くには飲食店がなく、コンビニも徒歩で往復すれば自動ドアにタッチして踵を返さねば昼休憩が終わってしまう。
ただ何ヶ月かに一度、大体予想外が重なった多忙の日、たまらなくなり昼休憩の際に会社を抜け出す事がる。
外の様子がわからない社内から解放されるような気持ちで、その時はいつも機嫌がいい。

10時を回った頃から、今日は米を食らうぞとずっと思いを巡らせていた。

コンビニで昼食を買う時、不慣れと時間の制限と空腹が手を組み、後でやや不正解と言わざるを得ない選択をしてしまうことが多々ある。
今日は中華丼を思い描いていたところが無く、牛丼とおにぎりを買う。
コンビニの外でホースが収納されている箱を椅子に拝借し、ろばたんさんのnoteがアップされていておっと嬉しくなり読みつつ米を頬張る。

文章を読みながら食事を摂ることはどんなに行儀が悪いと指摘されようとも手放せない至福の時間だ。
学生時代に働いていた書店で、カフェコーナーのカレーを食べながら雑誌や文庫に目を通していた本の師匠の姿を見るのが好きで、自然とそれを真似るようになった。

デスクワークの職になってからは、昼食を目一杯摂ることは控えるようにしている。
書店で働いていた頃に比べてカロリーの消費量が格段に減ったことと、眠気に耐えることが大嫌いだからだ。
それならば腹を鳴らしながら冴えていたほうがいい。

しかし今日は自ら負けに行った。満足し、どういう訳か眠気は襲って来ず、結果夜まで腹も空かず、よしよしと体の検討を讃える。

午後は月に一度媒体に掲載している広告ページの作成をした。
100文字程度の短くまとめた文章に上司からの添削が入る。
毎月のように、人それぞれに心地の良い言葉のリズムや言い回しが違うんだな感心しながら時に奥歯を食いしばる。
良し悪しは分からぬまま初稿を送る。

夜、好きな人と家庭菜園の話をしていて、何かできれば食物を育てたいが自信がない、というか、いつか枯れるのが悲しいという話をした。

話しながら、自分の根源的な性格はこんなところにも露呈するのかと少し恥ずかしくなる。
結論として会社の庭を拝借して育てようという話に落ち着いた。
お互いわははと笑っていたけれど、私は割と本気である。
社内行事の草むしりの後にせねばという事だけ運用ポイントとして挙げておこう。

そして今、片手間にTVerを開いておにぎり特集を見ている。


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