見出し画像

6月ある日

布団に入り、日付が変わっても寝付けなそうな気配を感じたら、潔く観念して睡眠導入剤を半分に割ったものを飲むようにしている。

少し前に上司がとにかく寝付けないと言っていて、薬に頼るのも一つの手段だと言うと、そのまま目が覚めなかったらと思うと怖いと言っていて目からウロコだった。

最近は膝が痛い。
左膝を庇って歩くものだから、右のアキレス腱が腫れ出した。なぜこんなにも毎日どこかしらが痛いのか。

数日前にくしがついたカミソリを買って眉毛の長さを整えた。元々しっかりとしている眉毛を梳くようになぞってみるとなるほど面白い。
しかし塩梅がわからず、寝起きの時などはすっかりすっぴんの人の眉毛になった。眉毛って難しい。

今日は気持ちだけが不良だったので寝巻きのTシャツの中に首元の詰まったTシャツを着込んで出勤することにした。
誰も知らないだろう。しかしTシャツほどシワは伸ばさないといけないな。

通勤の道すがらに立てられた気温計は23度。湿気があり空気が重たい。今日は今シーズン初めて半袖で出勤したがどうやら正解だったようだ。最近はいつも肌寒さに怯えている。

涼しい顔して出社して自席に着き、人差し指の爪にきのう擦った赤ペンがまだ残ってることに気づく。水性だし、家事も風呂にも入ったのに強情なやつだなと反対の人差し指の爪で削るように取る。

昨日から貯水タンクに不具合があり、水道の調子が悪い。

会社の前にはたっぷりと水を湛えた川が流れているのに、うっすらと断水状態だ。
こういうイレギュラーが起きた時に対処する部署の人たちには頭が下がる。

書店員時代にネットワーク不良だったりのっぴきならないクレーム対応だったりと、その日予定していた仕事の計画を全て打ち遣って対応しなければならない事態というのは、もちろん全て仕事といえど日によってはやりきれない。

いつか笑い話になるとしても、食いしばって傷んだ奥歯は記憶して季節の変わり目ごとに苦い思いをさせる。

いつもは水道水を入れる500ミリのマイボトルを書店員時代に使っていたナルゲンの1リットルボトルに替える。ひっちゃかめっちゃかなラインナップの自販機で一番地味な麦茶を一回、緑茶を一回買って移す。

複合機でコピーを取りながら、次の生きる場所を探している、探さなければという気持ちになる。しかしどんな仕事もピンとこないのだ。正直もう次は会社員を辞めたい。

ジェーン・スーさんのラジオ『生活は踊る』の相談コーナーでいつか相談者を「ドラマ体質の人」と定義づけていて、それだ・・・とやけに納得した。私はかなりドラマ体質なんだと思う。

いつも何かにときめいていたいと思っている。そして何事にも責任を持たないように慎重に生きている。

帰り道、振動が響く腹痛が襲ってくる。
唸りながら帰宅して、眠気も酷くてしかし風呂だけはとお湯を張る。1時間ばかりで治ったけれど、忘れていたけれど、アイツが今月も来る。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?