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映画鑑賞「セブン・シスターズ」 (原題:What Happened to Monday?)

※物語の展開に少々触れますが、結末やトリックなどへの詳しい記述は避けていますので、結末まで知りたい方はぜひ作品をご鑑賞ください。

こんにちは。ささむと申します。
文章の練習にと自分の好きな物事について気ままに書いております。
今回は久々に映画をゆっくり見ることができたので、その鑑賞記録を残します。個人の感想なので異論・反論・嫌悪感などあるかと思いますが、何卒ご容赦ください。

【あらすじ】
世界人口の爆発的増加により食糧危機、環境破壊が深刻な問題となり、政府は人口の削減のため極端な出生制限を法で定め、実行されているディストピア的世界。子供は1世帯に1人までとされ、2人目以降は政府に連行され強制的に冷凍休眠させられる。そんな世界で、ある女性が7つ子(一卵性の女児)を出産した。女性は出産時の負担のためか命を落としてしまう。父親不明の7つ子を女性の父親(7つ子にとって祖父)は自身で育てる決意をする。もちろん政府に知られれば即連行されてしまうため、子供は1人のみとし、7人で1人の人物として振る舞う生活を続ける。
大人になっても7人で1人を演じる彼女たち。極度に制限された生活の中で不満や欲求を募らせつつも、生きるために助け合っていた。しかしある日、いつも通り外に出た1人が謎の失踪をし、彼女たちの生活が崩れ始める。

【作中の好きな表現】
・彼女たちの暮らすアパートメントの管理人(?)が口にする詩。
 「先延ばしされた夢はどうなる?」の言葉で始まる短い詩。ラングストン・ヒューズという黒人作家のもので、原題は『What happened to a dream deferred?』。この映画の原題はこの詩を元にしたのかもしれない。彼女たちの夢はおそらく自由、平等な生活だろう。延々と先延ばしされる夢はどうなってしまうのか。

・子供の「痛いの?」に対するYES or NO
 大人のある行為に子供が「痛いの?」と尋ねたときに「ああ(YES)」と「いいえ(NO)」と答える2人の大人。その2人は別人物だが、一方は愛があり、一方は愛がない、と感じる。YESは痛みを伴う生。NOは安寧な眠りまたは死。子の未来を想う強さが2つの言葉で対比されている。

【感想】
主人公である7人は1人を演じることは苦肉の策だが、理不尽に管理された社会で生き残るためには7人それぞれの個性を全否定し、個を失くすことが必要。個性と秩序との対比はディストピアを描いた作品ではよくあり、今作品もそのパターンを踏襲しているので、展開は察しがつきやすい。極端な管理社会を撃破していくのは爽快感があって気持ちが良く、鑑賞後はスッキリした気分が味わえる。
ただ、今作品の特徴である7人が1人を演じる部分が案外短かく、早めにアクション展開になったように感じた。日常生活の中でそれぞれが入れ替わるシーンをもっと見たかったし、バレるんじゃないかとハラハラ、ドキドキしたかった。俳優が1人7役だから色々やりすぎると負担が大きかったのかな。それか尺の問題か。また、銃殺シーンやセクシーシーンは割としっかり描かれているので苦手な人はびっくりするかもしれない。

【まとめ・一言】
ストーリーの筋は良くあるディストピアものといった感じで、見やすくてわかりやすい作品だと思います。7人のうち誰がどうなるのかは読みにくくてドキドキしました。ただ、最後のシーンが本当に解決だったのか、個人的には疑問が残りました。その後の世界は、結局課題を抱えている。それも先延ばしされた夢?


◯最後まで読んでいただいた方へ
拙い文章ですが、読んでいただけてありがとうございます。
今後とも縁がありましたら宜しくお願いいたします。

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