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Not A Girl

高校生の頃、
私はガリ勉だった。

私立の高校でお金が沢山かかるので、
予備校には行かずに大学に受かりたかったから、

と言うのは口実で、
打ち込めるものが無かったから。

人と集まってする部活が苦手だったし、
彼氏もいなかったし、
友人関係も全然活発って感じではなかったから。


その頃親しくしていた友人に、
アニメや声優に詳しい子がいて、

その子の影響で、その時代の声優さんに、
私も少し詳しくなった。

歴史が大好きな友達もいて、
平安時代等の歴史を舞台にした小説や漫画を
色々貸してくれて、読んだりもした。

同時期に、洋楽にもハマっていて、
TSUTAYAでたまたま借りた
ヒラリーダフやブリトニースピアーズが
すごく好きだった。

洋楽は、周りの友達に聴く子がいなかったから、
1人でこっそりと聴いていた。

帰る時、
降りる駅の一駅前で降りて、
MDウォークマンで、
ヒラリーダフやブリトニースピアーズをずっと流しながら、1駅分歩いた。

同年代のアメリカのイケイケ女子と、
冴えないガリ勉の女子高生の私の間にあった
ギャップが心地よくて、

聴いてる間、
別世界にいるみたいだった。

音楽で、こんなにトリップできるんだって、
知ったのは、高校生の頃かもしれない。

洗脳かもしれないけど、
中学生の頃、ハリウッド映画を観てから、
アメリカにずっと憧れがあった。

青春時代の真っ只中。

今は、大人になって実際にNYに旅行もしたし、
アメリカがどんなものか実感として
少しは分かったので、

そこまでいたずらに憧れることもなくなったけど、
あの頃よく聴いていたヒラリーダフやブリトニースピアーズの曲を聴くと、

今でも一気に憧れていた世界感を思い出す。

すこしスレた不良っぽい少年少女。
ロックとタバコとお酒が似合い、
パーティーと夜遊びが日常にあるような人たち。

キラキラと輝いて、堂々としていて、
人生を謳歌している人たち。

ミニスカートにキャミソール。
少し車を走らせれば、岩肌や森が現れる
自然に囲まれた広々とした土地。
大きな家。

もちろん実際のアメリカは
皆が裕福でキラキラしている訳ではなく、
貧富の格差があり、

地下鉄には、ホームレスや物乞いの人がいたし、
スプレーで落書きだらけの殺伐とした地域があったり、麻薬が横行していたり、

剥き出しのアスファルトは日本のように整備されていなくて、あちこちで工事中の場所から煙が出ていたり、キラキラだけではない側面も沢山あった。

ポーズとしての不良ではなく、
本当に危ない目をした人も沢山いた。

もちろん、
ブロードウェイや、
大きくてきらびやかなデパート、
NBA等、キラキラした部分もちゃんとあった。

レストランに入れば、
スタイルの良い欧米人が沢山いたし、
美術館は、日本の何倍もの大きさがあって、
展示物もすごい量と質だった。

食べ物も、建物も、人間も、
何もかもが大きかった。

ただ、私の空想の中のアメリカとは違った。

それでも、
あの頃ときめいていたものたちに触れると、
一気にワクワクした気持ちや高揚感が甦る。

なんでこの記事を書こうかと思ったかと言うと、

Netflixで、ブリトニースピアーズの
「ノットアガール」という昔の映画が配信されて、
懐かしかったから。

私は当時、彼女の、
「I'm Not A Girl, Not Yet A Woman」
が大好きな曲だったから。

少女ではない、
でも、大人の女性でもない。

ヒラリーダフもブリトニースピアーズも、
私とは容姿も環境も全然違ったけれど、
私と同年代の女の子たちだった。

全然違うけど、
憧れがあって、ちょっと共感しちゃう。

そういう時間が私にもあったんだ。

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