ゆっくり
早く走ろうとしない。
ゆっくり走れば、周りの景色もゆっくり見ながら通りすぎることができる。
春の訪れを告げるウグイスが、黄色みがかった抹茶色のぽってりとした小さくまあるい体を茂の間から覗かせる。
見馴れない種類の雑草が、アスファルトの隙間から伸びている。
春になり発情期を迎えたのか、2羽の鷺が、大きな声をあげながら、追いかけっこをしている。
そういうものも、早く走ることに気を取られていたら、気がつけなかったかもしれない。
(早く走ることに必死にならなくても済む人は気がつけるかもしれないけど)
ゆっくりと自分のペースで走れば気持ち良い。
周りの景色もよく見えるし、焦りもない。
人生もそんな風に生きていきたい。
話は変わって、
私の母の友人たちは、心が広く、人のために何かするのが好きな人が多い。
(私の友人にも、そのような人はいるけれど、母の友人ほど、多くない。)
母もそのような性格だからだと思う。
中には、自分に子供も旦那もいて、家庭もあるのに、ガンになった友人を何週間も家に泊めてあげる人や(しかも自ら進んで)、
50年ぶりにラインの連絡がとれるようになった母に対して、親戚の家で作っているというブランドもののミカンを段ボールで大量に贈ってくださる人がいたり、
他にも、他人に進んで当たり前のように人に施す人が多い。
皆さん、60代の後半で、子育てや介護を経験なさり、自営業の家に嫁いだ方も多く、その傍ら仕事もなさってきた人達ばかりだ。
そして、子育て、介護が一段落すると、仕事の合間に、老人ホームでボランティアまでしているという‥!
それも、何人もの方がだ。
大きい。人として大きく、温かい。
頭が上がらない。
きっとああいう人達が、天国に逝くのだろう。
その温かさ、人としての大きさを改めて見習わなければならないな、と改めて思った。
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