スマホ

お休みの日、
図書館にスマホを忘れてしまった。

気がついたのが、閉館時間を過ぎていたので、
すぐに取り戻すことが出来なかったらどうしようと、気が気ではなかった。

それでも一応、図書館に戻った。
案の定、表の扉が閉まっており、
ドラマの主人公のように柵に手をかけて途方にくれてみたりしたが、

念のため裏に回ってみたところ、
ちょうど守衛のおじさんが出てきてくれた。

ダメもとで、おじさんに事情を話すと、

「大丈夫、大丈夫。
反対側にある防災センターで保管しているよ。」

と穏やかに教えてくれて、
無事にスマホを手元に戻すことができた。

防災センターのおじさんたちも皆、
優しくて、明るくて、
動揺していた気持ちがホッとした。

たまたま同じ日に、
私と同じ機種のスマホを忘れた人がいたようで、
すごい偶然だな、と思った。

私は、スマホをどこかに忘れたり、
失くしたことが今までなかったので、
心底動揺したのだけれど、

これからは気をつけよう、と思うと同時に、
どれほどスマホに依存して生きているかも思い知った。