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コロナ療養期間のあれこれ。

コロナ療養期間最終日。先週の土曜日に発熱して3日間くらい床に臥して。その後は喉の痛みと月経のあれやこれやに打ちのめされて。今は、すっかり良くなったとはいえないけれど、とても清々しいきもち。コロナにでもならなければ、こんだけなにもしない9日間なんて、絶対になかった。しかも、そのうちの7日間は、夫と過ごせた(別々の部屋で療養してたとしても)。この数日間の非日常は、コロナのしんどさを差し引いても(明日から怒涛の返済期間がはじまるとしても)おつりが返ってくるくらい、かけがえのない時間だった。

・First Love 初恋(Netflix)をみた。映像も構成も小説の一節のようなセリフも満島ひかりさん、八木莉可子さん、濱田岳さんの演技もとにかく素晴らしかった。すべてが今の夫との毎日に繋がっていたと思うと、いろんな恋をしてきてよかったなと思えたし、過去のあれやこれやの記憶が成仏されたような気がしたし、これまでの自分や出会ってきた人たちに感謝したくなった。

・江國香織さんの小説を読み返した。神様のボート/ウエハースの椅子/泳ぐのに、安全でも適切でもありません/いくつもの週末/泣く大人。大人になってちゃんと読み返したのはたぶんはじめて。主人公たちや執筆当時の江國さんの年齢とおなじくらいになったことで、距離がぐっと近づいた物語もあったし、逆に離れてしまった物語もあった。近年の作品はもちろん素敵だけれど、90年代から00年代の瑞々しくて逞しい作品たちが、やっぱりすきだなあ。

・吉本ばななさんのデッドエンドの思い出と、noteのマガジン(どくだみちゃんとふしばな)をぽつぽつ読んだ。ばななさんは、江國さんとは逆に、大人になってものすごくすきになった方。特になんくるないは、一文一文が宝物。小説だけで完結するんじゃなくて、その背景にある考えや思いなんかを、こうして手の届きやすいところにおとしてくれるなんて。校正の入ってないプロの文章には興奮します。

・一田憲子さんの出版物に浸った。暮らしのおへそ/暮らしのまんなか/暮らしを変える書く力/もっと早く言ってよ。/丁寧に暮らしている暇はないけれど。仕事ばっかりしてきた一田さんの力の抜き方、人生のくだり方が、ちょうど今のわたしの考え方や働き方にぴったりときて。一田さんが書くことのしあわせを説くように、わたしは聴くことのしあわせを説きたいなあ。

・いつもとは異なるものに触れた。アニメ(ホリミヤ)と韓国ドラマ(愛と、利と)。たまには頭を空っぽにして物語に没入するのも良き。

・書くことがすきなわたしはnoteを、撮ることがすきな夫はinstagramをはじめた。これまで夫とは、現実世界で全力体あたりすることしかなかったから、SNSを通して相手のこころのうちをちょこっとのぞけるのは、新鮮。30代は仕事ばかりじゃなくって、趣味やすきなことを楽しむ時間も、仕事と同じくらいたいせつにしたいと思う。趣味やすきなことは、一緒にできなくても、語りあえる相手がいるだけで、断然楽しい。

・夫との時間。普段は仕事の都合で3日に1回くらいしか顔を合わせないから、こんなに一緒におうちで過ごせたのはほんとうに初めてのこと。何かできるわけじゃないし、どこか行けるわけじゃないし、ただひとつ屋根のしたでおなじ時間を過ごしたというだけなんだけど。それがなんだか、良かったなあ。たとえばわたしが小説に没頭しているとなりで、夫が旅行で撮った写真を整理していたり、元気になったら一緒に行きたい場所を探していたり。このひとは、こういうヒトなんだなあと、ぼーっとこころが温かくなった。

ばななさんの日記にも書いてあったけれど、コロナじゃなくても10日間くらい何もせず過ごす時間は、誰にとっても価値があるだろうなあ。書くのに時間がかかったけれど、残しておくことができて良かった。忙しくていろいろ忘れそうになったら、またここに戻ってこよう。

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