さがす(コミカルさに笑い…後に一層心が鈍く痛む)

スーパーの事務所
万引きした中年の男がいる

そこに駆けつけたのは制服の少女

お店の人と警察に頭を下げ父を連れ帰る娘

一見して思う
ダメ親父だ!
しっかりした娘が不憫だ!

ただ、こんなことがあったのに万引きのことなんか無かったかのよう
予想外に父と娘の関係は良さそうであったかい
この父娘の図になるまでには何かあったんじゃないかと気に掛かる

朝起きると父がいない
帰って来る気配もない
警察は非協力的
捨てられた!とヤケになる
失踪前日に「指名手配の連続殺人犯を見た」と言っていた父を思い出す
娘は父をさがす

結末や深いことはあまり言わないでおこう
少しネタバレするならば
確かに連続殺人犯は関わっている
死にたい人をさがしている

この物語はサスペンス
重く暗く不気味な要素が詰まっているのに時としてコミカルなんだ
父と娘、同級生の関西弁とノリ
死にたい人から発せられるリズム
後に一層心が鈍く痛むのはコミカルが効いているからなのかもしれん

父役は佐藤二朗
面白い役をたくさん演じてて大好きだ
この作品の笑ってしまうとこはあるけれど笑えない父二朗さんだからできたんじゃないかと思うほど絶妙だ

娘役は伊東蒼
初めましての役者さん
少々生意気で口が達者
しっかしているけど父恋しい幼さある中学生
こういう感じの子なんだ…と違和感なく入ってきてキツい物語の中でホッとさせてくれることもある

連続殺人犯役は清水尋也
King Gnu『The hole』のMV出演がとても印象的で知った(見てほしいな)
感情見えにくい系な顔立ちで演じるこの殺人犯像には震撼させられた

死にたい人役は森田望智
ただただ見てほしい
この物語のこの人を

演出なのかも知れんけど私には想像つかない人物像だった
だからといって見てて嫌ではない
むしろ集中してしまう(演者の上手さなのかな)

世間の当事者だけにのしかかるもの
テレビのニュースで怖くなる事件
映画の中はフィクション
心が重いのは他人事ではない気持ちになっているからなんだろうな

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#佐藤二朗 #伊東蒼 #清水尋也 #森田望智

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