日本のお正月とロマネスコ

新年、明けましておめでとうございます。
年末には断捨離・大掃除・1年を振り返るモードで過ごし、年始には目標を100個くらいたててしまう私はまごうことなきニッポン人であるのだなぁ、と少しばかり凡人オブ凡人である自分に落胆しつつ、1月1日に始めたいのよ、新しいこと。

先日スーパーでロマネスコという野菜を購入したのだけれども理由はCDや本であればまさにジャケ買い、見た目の美しさ故でどんな風に調理をすれば良いのか、どんな味なのかも分からないのだった。淡いグリーンの大小様々な三角形は蕾なのだろうけれど整然と並び、全体で一つのブーケあるいは城のようで見ようによってはゲームに描かれている背景の何かに見えなくもない。
ブロッコリーやカリフラワーの仲間ということなので、蒸して食べたところ見た目のデコラティブさとは裏腹に淡泊で爽やか、癖がなく食べやすかった。
イタリア原産であれば野菜さえ事程左様に装飾過剰なのであれば、かのゴシック建築の礼拝堂が建てられるのもなるほど合点のゆくこと。

世間では「人と比べるのが不幸の始まり」たる言説が闊歩していて、それはまさに真理というべきものだと思うのだけれども、自分を知るために、あるいは今自分が置かれている状況を知るためにどうしようもなく他者を必要とするのが人間であるというのも凡人である私にとっては真理なので、ロマネスコなど食べながら世界に思いをはせつつ世界と私の間にあるものを見つめてゆきたいと思う2024年の正月なのである。


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