ヒロヤス

日本株のヘッジファンドアナリストです。 「ESG/非財務情報の伝え方使い方」について書…

ヒロヤス

日本株のヘッジファンドアナリストです。 「ESG/非財務情報の伝え方使い方」について書いてます。 課金して応援していただければ幸いです。

最近の記事

4.ESGは短期的にはコストですが…     ~PSRにも注目~

1.理想的なESG投資とは?でもご紹介しましたが、著名ストラテジスト北野一さんの損益計算書の解釈です。株主を重視するROE経営では、株主への配分、純利益の最大化を目指します。一方、持続可能な社会、つまりESG経営を目指すのであれば、ステークホルダ全員への利益の配分を検討しなければなりません。しかし、例えば従業員給与を上げれば販売及び一般管理費が、再生可能エネルギへ投資して工場を稼働させれば、売上原価がそれぞれ増加して純利益が減少します。これらの支出は、中長期でみれば企業の収益

¥150
    • 3.会社は誰のもの?  ~各ステークホルダにメッセージを~

      会社は誰のもの?が大きな議論になったのは、2005年に堀江貴文氏率いるライブドアがフジテレビと経営権を争った時です。日本は、それまで会社は社長や従業員のものとの考えが強くありました。1990年代後半、三菱重工のトップが「ROE株主資本利益率など眼中にない」「利益より雇用を重視」との発言したのに対し、外国人投資家が大量の売りを出して、同社の株価は急落しました。しかし、日本の経営者には、よくぞ言ってくれたとする向きもあり、「日本には日本の経営がある」「欧米企業は短期的経営」という

      ¥150
      • 2.ESG投資の歴史 ~ESGは止まらず~

        あくまで私個人の意見ですが、ESG(環境、社会、ガバナンス)投資は金融機関のキャッチコピー、お金集めの宣伝文句だと感じています。運用成績のみならず社会貢献も考慮する投資は、50年代のCSR(企業の社会的責任)に始まり、その後SRI(社会的責任投資)、CSV(共通価値の創造)と折に触れてもてはやされました。温暖化に警鐘を鳴らしたアル・ゴアの「不都合な真実」の大ヒットが追い風になった時もありました。けれど結局、運用は“儲けてなんぼ”であり、いつの間にか立ち消えています。ESGとい

        ¥150
        • 1. 理想的なESG投資とは?         ~ESGとビジネスをつなぐ~

          ESG投資の具体例として、まず思い浮かぶのがトヨタのプリウスと日産のリーフです。環境にやさしいのは、ハイブリッドの“前車”より電気自動車の“後車”です。しかし、断然プリウスの方が多く売れています。そして販売台数に差がついた主な要因は「バッテリの生涯保証、乗っている限り何度でも交換します」にあると考えています。トヨタが環境問題だけでなく、買った後の顧客の安心感を重視したからではないでしょうか。リーフは保証がないぶん安くて最初は売れましたが、バッテリ交換に高額費用がかかり、やがて

          ¥150

        4.ESGは短期的にはコストですが…     ~PSRにも注目~

        ¥150