キラークライアント４「ハワイアンジュエリー」

さて

想いは通じたかもしれない

ここで彼も自分も　気まずい点には　お互いに触れない

というか　カウンセラーから振るべきでもない

そう　「婚約者はどーするんだ？」問題

かなり「下駄を履いた」としても　せいぜい　同じ土俵に立った程度

「奪って見せます」と言った以上　闘うつもりだろう

この年齢になりゃぁ　余裕持って　聴いてあげられる　見ていてあげられる

「二股」もあれば　「振った　またぁ？」もある

「一生１４敗」もあれば　「冷笑１５敗」だってある

経営問題なら　いつでも　「人・物・金」

恋愛問題なら　真逆　　　「金・物・人」

とりあえず　彼女の誕生日が　目前のイベントらしい

「指輪を贈りたい」と　告白しちゃったらしい

値段でもデザインでも　まさか　婚約指輪に匹敵するようなものは　受け取らないだろ

ところが　この返答がまた　心憎い

彼女は　ハワイが大好き　らしい

「ハワイアンジュエリーの　指輪が欲しい」

今ならわかるが　当時は聴きなれない　アクセサリーであったと思う

散々探し回って　銀座に専門店見つけて　


既製品など無く　デザインもフルオーダーのみ

確かに　婚約指輪と　バッティングはしないだろう

おいおい　社会人とは言え　まだ２０代だろ　そんな資金あるのかよ？

どうせ耳に入らないであろう　忠告

だから　無言

これが　彼の突劇の序章　

に　なるよなぁ　そりゃぁ・・・