見出し画像

大人女性がいく日帰りわかさぎ釣り旅行 前編

1.アラフォー・ワーママに急遽現れた自分時間

2023年1月上旬。
私は高校1年生の娘と中学1年生の息子をもつアラフォーの母親である。ついでに言えば、仕事もしているので、アラフォー・ワーキングマザー。アラフォーと言っても、あと2年もたてば、アラフィフの仲間入りをする、そんな年齢だ。

子どもが高校生、中学生になると、母親の出番はぐっと減る。食事は、お腹が減っても自分たちで何とかできちゃうし、休みの日は家族と過ごすというより、部活や友人を優先するようになる。

これまでの子どもべったりな日常から、急にほいっと、園の外に放り出された、そんな感じだった。

最初はちょっと寂しかった。
「え・・。いいの?わたしなしで。」「自分でホントにできんの!?」みたいな。

でもよく考えると、これってまっとうな成長、喜ばなきゃいけないんだなと思った。子どもたちも、自分の世界に、自分の足で立とうとしてるんだよねー。
そして、それなら私も急に現れた自由時間を、思い切り自分のために使おうと思ったのである。

「時間とお金があればやりたいこと」で、思いつくのは旅行だ。これまで旅行といえば、家族旅行で、主役は子ども。子どもが喜ぶ場所やアクティビティばかり考えていた。でも今回は違う。主役は私。大人。大人が愉しめる、大人が癒される、そんな旅行がしたい。

どこがいいかな、何をしよう。普段の疲れが取れるよう、ちょっとラクしながら、おもしろいアクティビティを織り込みたい。もちろん美味しいものはマスト。

わかさぎ釣りはどうだろう。釣れたわかさぎを調理して、揚げたてをビールと一緒に食したら、美味しいに決まっている。よし、決まり!わかさぎ釣りに行く。行先は、わかさぎ釣りのメッカと言われる山中湖がいい。山中湖なら高速バス1本で行ける。だれかに車の運転をしてもらうこともなく、みんなでお酒が飲める。

ママ友仲間に声をかけ、同年代の女性5人、ママ友の中1息子の合計6人で行くことになった。

こうして、アラフォー・アラフィフの女性たちが行く、日帰りわかさぎ釣り旅行企画が実現したのである。

2.私と釣り

ところで、私はわかさぎ釣りをするのは初めてだ。でも釣りの経験は少しある。というか、いま絶賛釣りの沼にはまっている。
きっかけは、昨年夏、息子が渓流釣りをしたいと言ったことだ。奥多摩にある管理釣り場へニジマス釣りに、息子と息子の友人を連れてでかけた。引率だけのつもりが、待っている間、手持ち無沙汰だったので、レンタル竿を借りた。すると、1投目から、ものすごく強い引きが!40センチを超える大物のニジマスがかかったのである。力が強くて、なかなか引き寄せられない。初めてでどうすればいいのかもわからず、しまいには、針が外れて、逃がしてしまった。そのあとは何回やっても、あの大物はかからなかった。私の脳裏にはこのときの印象が強烈に焼き付いたのである。

それ以来、すっかり釣り好きとなり、この半年で川に海にと、いろんなところにでかけるようになっていた。

そして冬がきた。冬の風物詩と言えば、わかさぎ釣りということで、この企画を思いついたわけだ。釣れたて揚げたてのワカサギ天ぷらを想像しただけで、ビールが飲みたくなってくる。

3.旅行準備

行先と参加者が決まったので、私は6人分の往復バスのチケットと、山中湖のドーム船を予約した。ドーム船とは、ドーム状の屋根がついたワカサギ専用の大きな船のこと。その中で座りながら釣りをする。

ついでに、釣果のわかさぎを調理してくれる食事処に電話をしておく。

旅行前日、どの程度わかさぎが釣れているのか、山中湖のドーム船のHPをチェックした。すると、昨日釣れたわかさぎは、たったの2匹。その前も、さらにその前も同じような数字。これはまずい。わざわざ山梨県まで行って、肝心なわかさぎが釣れなかったら、ただ時間つぶしにドーム船に乗りに行っただけなんてことになってしまう。参加者に申し訳が立たない。

急遽、他の行先を探すことにした。山中湖のお隣、河口湖でもわかさぎ釣りができる。釣果は、驚くことに500~1000匹であった。早速、河口湖のドーム船に電話をし、空きを確認する。しかし、明日は土曜日ということもあり、どこも満席。それでも3軒めのレンタルボートやに電話をしたら、ドーム船は満席だけど、ローボートなら空いていると言われた。2人乗り用の高さが低いレンタルボートで、3隻用意できるという。しかも自分でこぐわけではなく、ドーム船の隣に横付けしておいてくれ、そこまでは曳舟に乗せてくれる。あとはボートの上で釣りを楽しむだけ。ドーム船と違うのは、船内か船外か、寒いか寒くないか、雨に濡れるか濡れないか。でも明日はくもり予報だ。

これなら、参加メンバーも了解してくれるだろう。メンバーに確認すると、ローボートに、転覆するかもという若干の不安はあるものの、釣れる方を選ぶとのことだった。

どたばたと予約の変更をする。ドーム船はキャンセル料がかかるが、それでも河口湖・ローボートの方が安く済みそうだ。
この判断が吉と出るか、凶と出るかは、明日次第。

行ってみないとわからない。

つづく

大人女性がいく日帰りわかさぎ釣り旅行 中編|海乃京子 (note.com)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?