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【詩】天国の涙

少女には、少女なるものの身に映え、
其の身を飾るに相応ふさわしい物は、
贅を尽くした、現世このよのありとあらゆる宝石よりも、
少女の心の中では透明さ自体が至高の価値を持ち得る、
色彩やかな綺羅めく硝子細工が、良く似合う。
其の瞳から零す涙も又、硝子細工と同じ様に、
此世ならぬ甘美な幻想を具体化する、
少女と云う存在其の物の輝きを放つ。
自分の慈しみ愛したものが、
全身全霊を込めて、我が分身うつしみの様に、
又無垢な心の中に尊んだ其の存在が潰える刻、
其の瞳から零す雫は、
無上の美しさを湛えた硝子の至宝と成るだろう。

<了>

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