あなたの周りにもいるかも 認知症高齢者の日常
高齢化のすすむ日本において、認知症を患う方の人数も増えて来ています。
2025年には認知症の人の数は約650〜700万人になるといわれ、これは高齢者の約5人に1人が認知症になる割合です。
それだけ身近な存在となってきた認知症ですが、その実態をみなさんはどこまでご存知でしょうか?
記憶力がなくなり、人の手を借りないと生活できなくなり、最後は自分が誰なのかも分からなくなる
そんなイメージを持っている方も少なくないんじゃないでしょうか。
認知症になってまで生きてたくない
そんな声を聞くこともあります
私は認知症介護の現場で10年以上働いています。
これまでも今もさまざまな認知症高齢者とふれあい、その生活の支援をしています
そんな私から見て認知症高齢者の日常ってどんなものか?お話ししていこうと思います
みんな無気力にぼーっとしている?
言葉にならない声をあげてて騒がしい?
では実際はどうかというと…
めっちゃ笑ってます笑
意外かもしれませんが、賑やかで和気あいあいとして、笑い声も多いです
利用者さん同士で集まってトランプやったり、囲碁の勝負をやったりなどゲームを楽しんでいたりします
テレビも見ているので、美味しそうなご飯が映れば「食べてみたいわね」など話したり、紅葉など綺麗な景色が映れば「行ってみたいわ」と話したりしています。
ドラマも見ていることもあり、朝ドラのクライマックスを見ていて、みんなで感極まってることなんかもありました。
さらには職員がやりそうな食事の用意や洗濯物のたたみ、掃除や消耗品の用意などをやってくださる方もいらっしゃいます
何なら職員より上手だったりします笑
意外な光景でしょうか?
認知症の方といっても、我々と同じように日常を楽しんでいます。
ただ、こういった光景ができるのには理由があります。それは
その人に合ったケアを提供することができているから
です
認知症を患っているという点では同じでも、そのために困っていること、必要なこと、逆に得意なことできることは人それぞれ違います。
さらに、これまでの生活歴や好み、性格などが組み合わさってくるので、求められるケアは1人ひとり違ってきます。
そういった利用者さんの状態を見極め、適切なケアを提供することで、認知症を患った方も楽しく生活することができています。
そのために我々介護職員は日々、利用者さんができること、必要なことは何か考えながら仕事してます
認知症になったから何も分からなくなる。何もできなくなるわけではありません
手を借りればできること、まだ自分でできることは必ずあります。
そこをしっかり見極め、適切なケアを提供することができれば、認知症を患っても笑顔で生活できます
最後に実際に認知症の方を介護されてる方にお伝えしたいことがあります。
それは
1人で抱えない。困った時は助けてもらう。必要ならプロにまかせる
ということです
認知症の方へのケアは先にも書いたように、その方の状態の見極めや必要なことの判断が必要です。
特に介護の経験もなく、お身内の方の認知症介護をしなくてはいけないとなるとかなり大変です。
自分やケアする相手を大切にするためにも、介護サービスをはじめとした援助を受けることをおすすめします。
人を頼ることは決して恥ずかしいことではありませんありません。
介護サービスも多岐にわたっているので、どんな支援が必要かケアマネジャーなどの介護の専門家にぜひ相談してください。
悩みや不安を相談するだけでも、気持ちが楽になります。
これから多くの認知症を患った方やその方を支える方が少しでも多く笑顔でいられるような世の中になっていくように祈りながら、私も微力ながら日々頑張っていきます
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