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たまには流行りに乗るのも悪くないって話。読書感想文『世界でいちばん透きとおった物語』を読んで。

ある日、出先で時間の空いた私はいつものように本屋さんへ。
そこで妙に気になった本が一冊。そして持ち歩くのにちょうどいい厚さ。

「世界でいちばん透きとおった物語」です。

帯には「絶対に予測不可能な衝撃のラストーネタバレ厳禁!」「電子書籍化不可能!?」「紙の本でしか体験できない感動」の文字。

全ての文言に惹かれつつも、超話題!!の文字に購入することを躊躇。

なにを隠そう、世の中で話題になったものに手を付けることが嫌なタイプなのです。
しかも自分の好きなカテゴリーならなおさらです。
(同じようなタイプの方いますよね!?)

葛藤すること数分…
購入し、読了しましたので、その感想をここにつらつらと。




あらすじ

大御所ミステリ作家の宮内彰吾が死去した。宮内は妻帯者ながら多くの女性と交際し、そのうちの一人と子供までつくっていた。それが僕だ。「親父が『世界でいちばん透きとおった物語』という小説を死ぬ間際に書いていたらしい。何か知らないか」宮内の長男からの連絡をきっかけに始まった遺稿探し。編集者の霧子さんの助言をもとに調べるのだが――。予測不能の結末が待つ、衝撃の物語。

杉井光 『世界でいちばん透きとおった物語』 | 新潮社 (shinchosha.co.jp)



感想

人が亡くなってしまって、衝撃のラストなんて言われたら、誰が殺したとか、どうやって殺したとか、なんで亡くなったのかとか、そういう内容の本だと思って読み始めました。
遺稿を探していくなかでそういったことが明るみになる。みたいな。
だけど、読んでも読んでもずっと遺稿を探してて、わかることは亡くなった作家のひととなりだけ。
よくあるミステリー小説を期待していた私としてはなんとももどかしい気持ちに。

だけど、どうしても気になる衝撃のラストと本の題名の意味。
そして、読み進めるにつれて大きくなるなんとなくの違和感。
そのすべてが明らかになる最終章。

明らかになるのは犯人でも、殺害方法でも、動機でもなかった。

明らかになった内容に
本当にびっくり。
こんなことってあるんだ。
こんなことってできるんだ。
上手く言い表せない感情でいっぱいに。
だけど、すごくすごく感動して清らかな気持ちに。

帯に書かれた全ての文言の意味がわかって、すごくすっきり。

特に深い意味もなく、ただただ紙の本が好きで、電子書籍を読まない私ですが、紙の本にしかできないことがあるって知れて本当に嬉しくなった。
これからも紙の本をいっぱい読んでいきたいと思ったし、電子書籍にも少し興味がでたり…。

とりあえず言えることは本ってやっぱり良い。


流行りに乗ってみて。

前述したとおり、流行りに乗ることに抵抗を覚えるタイプの人間です。
と言っても、全ての流行りに抵抗を覚えるわけではないのです。
スイーツとかインテリアとか、服装とかコスメとか、自分から流行りを取り入れるジャンルだってあります。
だけど、自分が昔から好きなものに対する流行って乗りたくないんです。笑
私だったらやっぱり本!あとは俳優さんとか(笑)
まぁここでは本の話を。

昔から好きだかこそ、好きなジャンルとか、好きな雰囲気とかがやっぱりあるんですよね。
そして、たくさん読んでいるからこそ、よくあるタイプの作品だと途中でラストに気づいてしまうことも…。
だから、私の中の衝撃的なラストと流行りの衝撃的なラストにギャップが生じることもしばしば…。

○○小説ってジャンルにもそのジャンルの中に細かい種類分けがあって。
私だったらミステリー小説が好きだけど、今流行りのミステリー小説!って売られていてもそれは私の好みじゃなかったりすることも…。

そんなこんなで流行りに乗ることが好きじゃないんです。がっかりすることの方が多いですから。
(ただのあまのじゃくって要素もあると思うけど…)

だけど、今回は大当たりでした!

流行っているから。とかなんだとか言って勝手に決めつけるのはよくないですね。
やっぱり読まなきゃわからない。

その本を表すたくさんの文言に騙されないで、惑わされないで、ひとつひとつの作品と向かい合っていきたいものです。



最後までご覧いただきありがとうございました。



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