ルームメイト
いくつのころからか、自分の心にアバターを持つようになった。
アバターはいわばルームメイト。私そっくりなお友達。
ルームメイトがいい人なら、毎日楽しい!
一緒に話したり、遊んだり、相談したり。誰よりも信頼できる人だ。
でも
私のルームメイトは、そうではなかった。
暗い
表情がない
言葉数が少ない
何考えてるかわからない
優柔不断
プライド高い
気が短い
気持ち悪い人!
いいとこなんか、一つもない。
他人のルームメイトが羨ましかった。みんな楽しそうで。
それに比べてあんたって人は!ムカつく!!あんたじゃなければよかった。
毎日、罵倒ばっかりの毎日。
そのうち
ルームメイトとは口も聞かなくなった。これだけ毎日、罵倒すれば、話もしなくなるよね。
嫌い嫌い嫌い!大嫌い!!
でも
出て行ってくれない。
どんなに、怒っても、罵倒しても、いなくなってくれない!
そのうち、ルームメイトのことを忘れたいがために、他人の悪口ばかり、言うようになった。
悪口言ってる時だけ、忘れられるから。救われるようなきがしたから。でも、部屋に帰れば、大嫌いなルームメイトがいる。
繰り返しの日々
いっそ、終わらせてしまえば、ルームメイトと別れられるのに、と考えたこともあった。
でもある時、私を信頼してくれる人があらわれた。
私なんかを、信じてくれる人ができた。
嬉しかった
初めて、ルームメイトと乾杯をした。
でも、すぐ不安になった。
私は、性格最悪。そんな人がいつまでも、信頼されてるわけがない。でも、ルームメイトが「大丈夫だよーしんじよーよー」と、声をかけてきた。
うるさいなー
今まで、ひとっことも話さなかったくせに
くせに…
…違う話さなかったのは、私の方
無視してたのは私の方
なのに、ルームメイトは
あんなに、嫌ったのに、嫌みもいったのに、罵倒したのに。
そばにいてくた。
日にちが経つにつれ、わたしなんかを好きになってくれる人や、信じてくれる人が、少人数だけどできた。
嬉しかった。
すると、ルームメイトと話すことが増えてきた。
嫌なやつだけど、案外かわいいとこあるじゃん!
なんて、思うようになってきた。
友達と話してるときは、ルームメイトも入れて3人で話すこともあった。気がついたら、友達のルームメイトも入って4人になってたときもあった。笑笑
ずっと、私を信じて待っていてくれたんだね。
どんなになじられても、見捨てないで、そばにいてくれたんだね。
そして、誰よりも、私に期待してくれていた。
信じられないくらい、私のことを好きな人。
病気になったら、大丈夫?大丈夫?と、心配してくれて、仕事がしんどいと、どうしてこの人ばっかり!と怒ってくれて、友達といるときは、よかったね!嬉しいね!と褒めてくれる。
一生一緒に生きていく
愛すべきルームメイト。
今でも喧嘩する。でも前よりは仲良しかな。
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