【小説】『万華鏡ロジック』 四話
日が落ち始め、あたりは薄暗くなりかけていた。
待ち合わせは馨と二人で訪れたことのある喫茶店。二日前に紹介したい人がいると馨からそう告げられ、その相手がどんな人物なのか詳しく聞く間もなく彼女は帰っていった。あの時の彼女は少し笑っていたような気がする。
人通りの多い繁華街をぬけて静かに建物の影に隠れたところにその喫茶店はある。目的地についた僕はドアを押した。頭上でカランカランとベルの音が鳴り響く店内に足を運んだ。モダンで落ち着いた内装にオレンジ色の光に包まれた店内には三人の