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入る部活すら選ばせてもらえなかった、中学生時代の話

中学校に入学して、まずやることがある。
それは小学校にはなかった『部活』を
決めることだ。
ワクワクしていた。
体験入部にたくさん行って選びたいなと
考えていた。
私は仲の良かった近所の友達とテニス部に
入りたいと思った。
母に「テニス部に入りたいと思うんだけど」と
言ったら、

目を見開いて
「テニスってラケット買わないといけない
のよね?
それにラケットに張ってある網は
定期的に張り替えないといけないのよ?
そのお金はどうするの?
シューズだって破れただの、きついだの
一足ってわけにいかないでしょ、
わかってるの?
それに試合だ、遠征だって交通費だって
かかるじゃない?
トトだけ走っていくの?(頭おかしい)
それに集会には間に合うの?
(エホバの証人の集まり)
日曜日は集会があるのよ、
行かないなんて許さないから!!
それでも入りたいって言うなら入ればいいわよ。」


「・・・・・・・・もう、いいや」

ただテニス部に入りたいって言っただけなのに。
「わたし、丸刈りになって野球部に入ります」とか「わたし、今日からヤンキーになります」
とでも言ったかのように反対されるのだ。

いつもこうだ、やる前に挫く。
目を充血させて、大声でまくしたてる。
「やめる」
っというまで言い続けようとする意志を感じるし、
始める前にネガティブなマイナス要素を並べて、
諦めさせようとする。

私は母から、
「いいんじゃない、やってみたら?」と
言われたことが一度もない。
一番言われたかった言葉だ。

絶対反対されるから、何かを始める時には
物凄いパワーが要る。
今でもしっかり後遺症として引きずっていて、
大したことじゃなくても、
反対されたり、嫌な顔をされるのが嫌で、
何かをするのを言い出せなくて、言いそびれて
結局、言わなかったりする。


私はポジティブな気持ちでそれを始めようと
思っているのに、一瞬で良くそこまで
ネガティブポイントが出て来るなと
感心してしまう位だ。

結局テニス部は諦めて、母が望む部活に
入部したのだ。

スコートをヒラヒラさせて、ガット交換が
必要らしい眩しいラケットを持ちながら、
「1年は球拾いばっかりだよー」なんて
愚痴ってる友達を見つめながら、
『私はその球拾いすらさせてもらえなかったよ』
と思った。

いつもスタートラインにすら立てない。
「やったら物凄い才能が開花しちゃうかも」とか、
「全くセンスゼロでやめときゃ良かった」とかは
やって初めて言える言葉であって、
自分の可能性すら未だに知れずにいるのだ。

私は子供が何かを始めようとする時は、
たいていのことは応援してあげようと
思っている。

「そうだね、いいね、楽しそうだね」って。

今日も最後まで読んでいただき
ありがとうございました。









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