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全然楽しくない子供の頃の外食の思い出

私が子供の頃は今ほどあちこちにファミレスや
レストランなどはなかった。
なので、車でしか行けない外食はめったに
出来なかった。
たまに父が突如「飯食いに行くぞ!!」と
言い出すことがあった。
多分パチンコに勝ったのだと思う。

私たちは父の機嫌を損ねないように急いで準備して車に乗り込んだ。
今でいうロイヤルホストのような、ちょっといい目のファミレス行った。

店員さんに「何名様ですか?」と聞かれると、
持ちネタかのように必ず
「ブタ4匹」
と、バカでかい声で答えるのだ。
自分は含まれてないので店員さんから見たら
答えになっていないのもポイント。

ブタたちは席に案内されて、父の機嫌を
損ねないように、父が頼みそうなものより
安いものを、更に父より早くメニューを
決めなければならなかった。
「何にしよかなーーーハンバーグも食べたいけど、
パスタもいいなーーーー」なんていう、
ファミレスの醍醐味は夢のまた夢。
何が食べたいかなんて二の次だった。
父は自分だけステーキを頼むのがお決まりだった。
何もなければそのまま飲み込むように食べて
帰ればいいのだけれど、
大抵事件が起こる。

まず父親の頼んだものが来ない!!
時間が掛かるものを頼んでいるのもあって、
私たちが食べ始めても全然来ない。
待つことが出来ない父は1分毎に
機嫌が悪くなって、
「オイッ オイ」とバカでかい声で店員を呼ぶ。
「オイ、なんで俺より後に頼んでる隣の席の
奴のは来てて、俺のは来てないんだ?
嫌がらせか?」
「確認して参ります」と店員さんは慌てて
奥に引っ込み、
しばらくして謝りながら運んでくれたのですが、
それを少し食べて今度はまた

「オイ、オイ 店長呼べ!」
店長登場
「オイ、これ食ってみろ、この味で
合ってるのか?」
とふんぞり返ってイチャモンを付けるのです。
少し味が薄かったみたいなのですが、

もうね、恥ずかしい。
ここファミレスだよ?

慣れっこの私たちは帰るぞ!!といつ言われても
良いように、ブチ切れている父を横目に、
猛スピードで食事を口に詰め込んで
事態を見守っていました。

周りから見たら、怒鳴り散らしてる父と、
とにかく無言で食事を終わらせる
『ブタ4匹』が変に
映っていたと思う。

全然楽しくなかったし、味もしなかった。
でも「行かない」という選択肢なんて
なかったから、行くしかなかった。
これが家族での数えるほどしかない
外食の思い出です。

大人になって「ブタ」としてではなく、
外食を楽しめるようになったし、
夫と娘が、「パパのから揚げが欲しい」とか、
「やっぱりパパの頼んだやつにすれば良かったからちょうだい」なんてやり取りを聞いて
微笑ましすぎるだろと思ってます。

ちなみにデザートのパフェは好きなのを頼めと
言われて注文していても、
食後にもたもたしてる間に父が帰りたくなったら、そこで終了。
デザートにはたどり着けずキャンセルとなりました。

子供の頃の外食の話を夫にしたら、
ネタだと思って信じてもらえなかったけど、
私の妹も同じことを
言っていてやっと信じてもらえました。

全然楽しくも美味しくもない子供の時の
外食の話でした。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。







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