歴史を変えた逆転劇 映画「オフィサー・アンド・スパイ」ネタバレ感想

こんちは。今日も一人映画、ねね氏です。
今日は霧雨の中を一人映画館に行ってきました。
映画館へ向かうエレベーターの中で、一緒になった細身メガネの今時男子から、石鹸のいい匂いがしまして。
これは、、、この映画館に通いたくなる、、、同じ映画かなあ、、、隣の席になっちゃったら、、、とワクワクしていました。

その後、細身メガネ今時男子は、男友達と合流。「エルヴィスにしよっか〜」と話している彼らを悲しく見送ったのでした😭
ちなみに、エルヴィスはしばらく見る予定はありません。興味がない。

さて、今日はこちらの映画。

あらすじ

1894年、フランス。ユダヤ人の陸軍大尉ドレフュスが、ドイツに軍事機密を流したスパイ容疑で終身刑を宣告される。ところが対敵情報活動を率いるピカール中佐は、ドレフュスの無実を示す衝撃的な証拠を発見。彼の無実を晴らすため、スキャンダルを恐れ、証拠の捏造や、文書の改竄などあらゆる手で隠蔽をもくろむ国家権力に抗いながら、真実と正義を追い求める姿を描く。

公式サイト https://longride.jp/officer-spy/

きっかけ

予告を見ていて面白そうだと思ったため。
スパイもので、軍の冤罪事件の謎を解くなんていうのであれば、ミステリー要素が強くてとても面白いんだろうなと。
何度も予告で目にして、視聴意欲が増幅したようなタイプの映画ではありません。
冬に見た「ナイル殺人事件」の映像美。
あれがなんだか忘れられなくて、似たような画面の映画をどこかで探していたんだろうなと思う。ナイル殺人事件の公式サイトはこちら。

正直、見るか悩んでいたけれど、別件の用事が入ってしまって、見る予定の映画に間に合わない。
さらに、近所の映画館で今週公開だということを忘れていた。
そっか、確か見たかったやつだな、と。
ちょうどよい時間にやっていたこともあり、何かに導かれるようにして劇場へ…。
未視聴状態の期待値は☆☆☆★★(星3)

感想(ネタバレ含む)

見た後に調べて知ったのは、この話は実在の事件をモデルにしている作品。つまり、時代劇映画ということ。
そして、この映画はフランスの映画だということ。

ねね氏はフランスの映画は初めてだったので、新鮮な気持ち。
(何なら、ユダヤって出てきたからドイツ??くらいにずっと思っており、役者のセリフを聞いてもフランス語だ!って、わかんなかったくらい)
ドレフュスっていうのは、この無実の罪を着せられた大尉の名前。
ドレフュス事件っていう言葉に違和感。
そう言われてみれば、日本の事件って、場所の名前が付くことが多いんだなあと改めて思った。(桜田門外の変とか、秋葉原連続なんちゃら、とか)
だけど、外国の事件は犯人とか、大きく関わった人の名前が入ることもある。
すごく不思議な感じ。

次に気に入ったのが、女性の服装が可愛い!!ピクニックをしている場面や、街のカフェでお茶している場面が出てくるけど、それがすごく可愛い。
それから、軍部の場面の壁やら家具やらがすごく豪華。
細かい装飾がたくさん入っていて、やたらときらびやか。金ピカ!!
すっごく綺麗なので、見ていてとても楽しい。さらに、馬車の形が可愛い。
さすがフランス。

それから、ドレフュスの顔が好き。調べたら、史実の本人の顔にそっくり。
歌舞伎役者みたいな感じの顔立ち。塩顔。素敵。
あと、おっちゃんはみんなカイゼル髭。かわいい。

物語はずっと淡々と進みます。
冤罪系の映画にありがちな、友達を無実の罪から救うぞ!!みたいな熱血系の映画じゃなかった。
主人公のピカールと被害者のドレフュスは、士官学校時代の教官と学生の関係。
別にピカールはドレフュスのことが好きなわけではないし、何ならユダヤ人(ドレフュスは学年唯一のユダヤ人)は嫌い。
でも、自分の気持ちと成績は切り離して考えていたので、ドレフュスの成績を操作したりするわけではない、理性的な主人公。
そんな主人公は、異動で防諜部へ配置換え。
仕事をしているうちに、ドレフュスは冤罪であり、自分の部下たちも冤罪作りに関与していたことに気付いてしまった。

映画の中で、必死に証拠を集めるような熱さはあまり感じられなかった。
コツコツ淡々と仕事を進めていく感じ。
後半は話が動き出してきてそれなりに面白かったけど、前半は結構眠かった。
文化も違うし、軍の専門用語もわかんなくて、字幕の上の目が滑る…。

すごく杜撰な調査しかしていない冤罪事件。
18世紀末だと、裁判の証拠の精査も適当だし、軍の息のかかった人たちを陪審員にするのも簡単だったんだろうなあ。
前任の部長に梅毒の末期症状が出ていたり、主人公には不倫相手がいたりと、すごく中世フランス()な感じは出ている。

脳まで梅毒が転移してしまっていた部長の、頭が弱い状態での判断が起こした冤罪だったので、関係者は軍の威信をかけて躍起になって隠そうとする。
被害者は、当時差別されていたユダヤ人。証拠になったのは、頭文字は機密文書に書かれた「D」という文字と「捏造された」筆跡鑑定だけ。
結果、主人公は正しいことを明るみにしているのに、「ユダヤ人の味方をするのか!」と非国民扱い。
現代日本でもあり得そうな話じゃないですか。
ただニュースを見ているだけの私たちからしたら、最初に捕まった人が犯人に見えちゃうもんね。
既得権益を守るため、自己の保身のために、上からの命令に従って、長いものに巻かれる方が楽な世の中だけど、自分が正しいと思ったことに従って仕事を進められる人が増えたら、もっとよい世の中になるんだろうなあと思いました。

途中、これから裁判だって時に、恐らく軍部に雇われたであろう青年が銃撃、味方の一人が亡くなってしまうという場面がありました。
最近遭った事件ととても重なってしまって、決して現代日本でも、他人事とはいえない状況なのだなと思いました。
まあ、私は銃撃されるようなことはしていないんだけど。

ピカールって、超強力なサビ取りの名前なんですよ。名前が出るたびに、頭をチラついてた。いつもお世話になっております。

評価

点数は☆☆☆☆☆★★★★★(星5つ)
期待してワクワクして劇場に入った気持ちを返せ!!
好き嫌いが分かれる映画かなあと思いました。

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