新しい働き方〜日本企業の転換期
よく企業では、根性論がささやかれますよね。
日本の企業では、なぜこんなに根性論が横行しているのでしょうか?
私も昭和生まれのいわゆる氷河期世代ですから、今でいうパワハラやセクハラが当たり前に横行していた時代を経験しています。
バブル期のイケイケドンドンの頃なら「24時間働けた」かもしれませんが、我々氷河期世代は、いわゆる失われし30年しか経験してないわけです。
どんなに頑張っても稼げないんですから、会社に拘束される意味がないわけです。社畜という言葉も流行しましたね。
ちなみに今回の記事は、こちらの記事を受けて、私なりの見解を述べてみようと筆を取った次第です。かなりの長文ですので、時間のない方はスルーしてください。
五月美さんは、パートさん目線で会社を動かしているやり手キャリアウーマンの方です。非常に面白い記事を投稿されていて、気がついたら毎日コメントのやり取りをするくらい、親密な関係になってました。
いつもありがとうございます😊
1.日本精神について
この歌は、明治の末に作られた軍歌です。軍歌の中でも代表的なものなので、ご存じの方もおられるかと存じ上げます。
なぜこの歌を抜粋したかといえば、この歌に代表されるいわゆる「皇軍精神」に日本的企業風土の根本がひそんでいると考えているからです。
第二次大戦中は、特に日本精神が叫ばれました。英米の生産力、物量に対抗するためには、精神論しか方法がなかったわけです。
この頃の日本人が好んだことわざがあります。
精神一到、何事かならざん。
中国の古典、朱子語類にある言葉です。
また不撓不屈の精神や捲土重来、臥薪嘗胆、七転八起、起死回生なども流行しました。いずれも根性論に欠かせない言葉です。
根性さえあれば、どんな逆境にあろうとも必ず逆転するという考え方ですね。
2.戦後復興における精神論
本土空襲や原爆投下で、主要都市が焼け野原になった状態から戦後の復興が始まるのですが、当然ながら生産力はゼロに近いわけです。モノがまったくない時代ですね。その日食べるものすらない時代ですから、キレイゴトでは生きていけないわけです。
この頃の日本人は、生き抜くためには何でもしたと言います。詳細は述べませんが、道徳や倫理が一切捨て去られた時代です。坂口安吾の「堕落論」が流行した時期でもあります。
その後、国連復帰を実現し、アメリカ主導のもと、奇跡的な経済復興を成し遂げるのですが、この時も精神論が唱えられました。
戦時中に流行した日本精神が再び復活するわけです。その象徴として、東京オリンピックにおける女子バレーボールが注目を集めます。いわゆるスポーツ根性、「スポ根」時代の到来です。
個人的な見解ですが、軍隊の精神とスポ根こそが、戦後の企業風土の根本にあるのではないかと考えます。
3.バブル期の到来
私はまだ子供の頃だったのであまり記憶にないのですが、1985年のプラザ合意以降の内需拡大により、日本全体が好景気に覆われます。先輩方の話によれば、お金の使い道に困るくらい、お金が余っていたらしいです。
この時の成功体験が、その後の日本を蝕んでいきます。今一度バブルの夢をみたい人たちが、企業を立ち上げて、荒稼ぎを目論むわけです。
4.ブラック企業の誕生
荒稼ぎを目論むいわゆる「青年実業家」の人たちが考えたこと。それは、労働基準法の盲点をついて従業員から徹底的に搾取することです。キレイゴトでは生きていけない敗戦直後の日本とかぶりますね。
また、オウム真理教事件を受け「マインドコントロール」なる言葉が流行します。この「マインドコントロール」を企業に取り込もうと、当時企業研修が盛んに行なわれました。社員を洗脳するためのプログラムです。
この頃社会人になった私もこの時代風潮をモロに食らいました。
「男は馬車馬、女は社内ホステス」
「従業員は生かさず殺さず」
「バイキングは食べ放題、サラリーマンは残業させ放題」
いろんな言葉がささやかれた時代です。今の子供たちには、絶対に体験させたくないですね。
当時は「てっぺん」なる言葉もありました。午前0時を超えることです。1日の換算が30時間くらいありました。
5.学歴信仰・年功序列の弊害
これも昭和期の悪しき風習ですが、未だに「働かないオジサン」問題があります。
五月美さんも書いてますが、机上の空論で現場を引っかき回すお偉方がいるわけですね。
特に彼らは頭の良さで出世してますので、抽象論が大好きなんです。私もそれなりに勉強してきましたので、お偉方を抽象論で丸め込むのは得意なんですが、勉強がキライな人からしたら彼らの話はまったく理解できないでしょうね。
そういう人たちがリーダーとして君臨しているわけです。そりゃ、日本の企業は没落していくわけですよ。
老害(老兵)は死なずただ消えるのみ、です。
6.最後に
令和のこの時代、政府による労働政策が転換され、労働基準法の遵守を企業に徹底させています。
今では、残業や休日出勤をすれば上から怒られるようになりました。休日に在宅で仕事をすれば、手当が出るわけです。
働きやすくはなりましたが、中間管理職にとっては地獄なんですよ。部下やパートさんには時間外労働をさせず、有給休暇も強制的に取らせ、なおかつ企業として結果を出せ、なんて指示が出るわけです。
「ワーク・ライフ・バランス」
素晴らしい言葉ですね。プライベート主体の人生はどれほどステキなことでしょうか。ぜひ実現したいです。
ただですね、働き手が不足していて労働時間も制限されるのが現状なんです。どうやって企業は生き延びていけばよいのでしょうか?
ヒントはワーク・シェアリングあるいはハイブリッド・ワークにあると思います。
この辺はまた別記事にあげたいですね。
働き方改革時代に求められる中間管理職としての能力。
それは、昭和の企業伝統を完全に断ち、新しい時代の考え方を柔軟に取り込むことだと思います。
「オレら、あたしらが若い頃は〜」
なんて会話は一切必要ないんです。
大事なのは、明るい未来です。
我々の世代に求められるものは、職場における価値観の転換にあると思います。
この橋渡しの役目を終えましたら、老害(老兵)は消えましょうかね😊
今回も2,800字近くなりました。ここまでお読みくださった方にお礼申し上げます。SNSは短文を主流するものなんですが、どうしても長文になってしまうんですよね。私の能力不足です。ごめんなさいね。
私もnoteにおける害悪かもしれませんね。
消えるその日まで、もうしばらく我慢してくださいまし。
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