知的障害(+ASD)のある子の親は子離れできる日はくるのか?
松井さんの「子育てライフハックから考えたこと」を読んで、いつかは必ずやってくる「知的障害、ASDのある子の子育てゴール」について考えてみました。
有用なハックが子離れを遠ざける?
松井さんは、バズった子育てハックに違和感があったといいます。そして、その原因についても述べていました。
内容については有料なので触れませんが、子育てをする上で知っておいた方が良いお話しでした。
特にハックに頼りがちな皆さんは、ぜひ、お読み下さい。
私は、記事を読んでドキッとさせられました。
「先回り支援のことだ!」
と思ったからです。
そして、知的障害のある人やASDのある子の子育てについても同じようなことが言えるのではなか?と思いました。
重度化する成人たちと先回り支援
思春期以降、暴言、暴力やうつ症状などの精神疾患に悩み、相談の場につながる親御さんたちがいます。
幼少期から、医療、福祉とつながってきたにも関わらず、中軽度の知的障害、発達障害のある人たちが成人になって重度化しているのです。
このような状態で子離れをどう目指せばいいのか?
なかなか先が見えていません。
解決方法のカギは何?
障害のある子の親は、我が子の発達の遅れが分った瞬間から、医療や支援者にアドバイスをもらい、全力投球の子育てをしています。
そして、熱心に我が子をサポートしてきた親御さんほど、思春期以降のうつ症状や行動障害に苦しんでいる傾向なのです。
私は、それらを解くカギは何なのか、ずっと考えてきました。
「トラウマ」を回避するための先回り支援
うつ症状や行動障害が起きている背景に「親が先回りしてる」ことが、分っています。
ある親御さんに理由を聞くと「トラウマにならないように」だそう。
失敗からトラウマになってしまい、自分を許せない、などの感情が強くパニックになるのだそう。
その状態を医療、福祉に相談したら「子への理解が足りない」と言われたそうです。
理解が足りないと言われ、環境を整え、刺激要因を排除してきたと。。。
親は、トラウマによるパニックを恐れ、それを回避しているようなのです。
でも成人になればなるほど、酷くなる一方なんですよね。だから、続けるしかなくなる…のだと思います。
ただ、ここで、はっきりしておきたいのは、知的障害やASDのある子のパニックは我がままではない のです。
医療、支援者からのアドバイスで「子への理解」を求められたとしても、整理して考えてみてほしいのです。
パニックには必ず理由があるのですから、解消できると思うのです。
実際に、トライ&エラーを繰り返している子や先輩の親御さんたちの中には、一時大変でも、必ずクリアして情緒も安定しているように思えます。
それを成長と呼ぶ親御さんもいますから、トラウマにならないように失敗を回避することではなく、それも含めて育ててゆくことだと私は思います。
知的障害(+ASD)があっても内なる思いは育っていく
ほんの少し前まで、実年齢に合わせた支援ではなかった福祉サービス。
3,4歳の知的レベルだから接し方も3,4歳のままという事業所がほとんどでした。
でも、東田直樹さんが、文字を使って雄弁に語るようになりベストセラーになってから福祉支援もだいぶ変わりました。
今や、言葉が喋れない認知症のある人や知的障害、自閉症のある人であっても「内なる言葉をもっている」と理解されています。
どんなに重い障害だったとしても、言葉をもっているのなら、まず本人の気持ちを聞くことから支援は始まります。
コミュニケーションのとれる方法を探し、トライ&エラーを繰り返す。
必要なことだと思います。
子育てゴールを考えたら始めること
テーマの「知的障害(+ASD)のある子の親は子離れできる日はくるのか?」なのですが、
「親なきあと」を考えるのであれば、生きているうちに、子離れに向かって実年齢を踏まえた接し方をすることが大切です。
先回り支援が重度化してしまうことを知って頂き、本人の経験値を増やせるようなそれぞれの家庭でのアプローチを模索してほしいと思います。
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