インターチェンジを越えたら
車の免許を取得してはや一年が経ちました。が、まだ初心者マークを手放せない魚木まるです。
帰省した時にしか乗らないので、毎回ドキドキしてます。運転自体は好きなんですけどね。時速100キロを自らコントロールできる機会なんてそうそうないじゃないですか。ビュンビュン飛ばすのも好きですが、街中をドライブするのも好きです。運転好きなので、大学卒業後はちょい田舎に住もうかなあとか考えてます。都会だと電車もバスもあって、車買わない気がするから…。
高速道路本線に乗る瞬間が好きで、あの加速、モーターがうなりを上げる音がたまらないっす。本線に差し掛かる前のカーブでテンションを上げ、合流地点手前の直線で一気に加速、合流後にエネルギー爆発!(?)という一連の流れ、何度乗っても最高だな~!
免許取りたての時は、親にひやひやされてたけど、最近は少しマシになったみたいです。
この間、高速使って、家族で栃木県は日光市に行ってきました。日光は小中学生のとき何度か行ったことあったけど、成長してから行くとなんだか感慨深いというか味わい深いというか…。華厳の滝、昔は滝見て何が面白いんだよ~と思ってましたが、今回は妙に感動しました…。景色系は、ある程度大人になってみないと良さが分からない気がする。
ずっと昔から存在していて、たくさんの人がこれを見て、それぞれ思うところがあったんだよなあ~と思うと、なんだかおもしろいんだよね。
華厳の滝に行くのにいろは坂ってとこ通らなきゃいけないんだけど、あれはなかなか大変でした。家族が酔わないように、あと事故らないように慎重に進んでいくんだけど、後続車が連なってくるとヤバイ…!って結構焦った笑 行きは二車線で、どんどん抜かしてもらえるからよかったんだけど、帰りは下り坂で、追い越しは危険というわけで一車線しかないので、申し訳ない…!と思いながら必死にハンドルをくるくるしてました。
それから、イタリアとイギリスの大使館別荘にも行ってきました。中禅寺湖を渡る涼やかな風が吹く、避暑地には持って来いの場所にあります。こんな素敵なところでひと夏を過ごせたら…庶民には縁遠い話ですが。
イタリア大使の別荘は、アントニン・レーモンドが設計したもので、西洋風の間取りと日本っぽい素材や模様が融合して、なんとも不思議な、けれど別荘にぴったりな落ち着いた雰囲気がありました。ここで仕事したらはかどりそ~~~
レーモンドと言えば軽井沢のタリアセンにある夏の家も素敵ですよね…!現在はペイネ美術館として楽しむことができます。この家も、どこか日本的な雰囲気が漂っていて、面白いんだよね。実は今年の八月に軽井沢に行ってきまして、今年の夏はなんだか優雅でした…笑
話は戻って、イタリアの次はイギリスの別荘にも行ってきました。もともとは外交官のアーネスト・サトウさん個人の別荘だったらしい。館内では英国文化が紹介されていたり、おいしい紅茶を楽しめたり、英国好きにはたまらん空間となっておりました。
もちろん私たち家族も、普段お目にかかることのない高級紅茶なるものを飲んできたのですが、そのときちょっとしたハプニング的なものが発生しまして…。
家族全員「紅茶と小菓子のセット」を注文したのですが、どんなお菓子が来るかは書かれておらず、イギリスと言えばスコーンと思い込んでいた我々は、それがくるもんだとばかり思っていたんですよね…。おまけにテーブルの上には、「おいしいスコーンの食べ方」が書かれた紙が置いてあって、スコーンを手で半分に割ってそこにクリームとジャムを挟んでいただきましょうという説明を読んでいるうちに、推測が確信に変わっていき…。
しかし実際に来たのはショートブレッドというお菓子でして…店員さんにご注文は以上でよろしいですかという問いかけの返事がワンテンポ遅れてしまって、なんだか恥ずかしかったです…。思い込みって怖い。(ちなみにスコーンをあきらめきれず、帰りに道の駅で買いました笑)
でもショートブレッドもとてもおいしかったので結果オーライですね…。紅茶はダージリン、アールグレイ、ブレックファストの3種類あり、私は普段あまり飲まないブレックファストにしました。おやつの時間にブレックファストとはこれ如何に…という感じですが、日本人は午後の紅茶を午前にだって飲むから大丈夫なはず…!
テーブルからは中禅寺湖と、それを囲む山々が綺麗に見えました。すこし山のほうに靄がかかっていて、それもそれで幻想的…。湖は時々吹く風に凪いでいて、ずっと見ていたくなる。水って不思議な魅力があるよね。
水って生活にありふれているけれど、とどまる水、水平に流れる水、悠々と広がる水、垂直に落ちる水、どれも違う表情だからすごい。
華厳の滝の水は、動くガラス彫刻みたいだし、中禅寺湖の水は、曇り空も相まって柔らかさと重みを感じた。軽井沢の睡鳩荘や夏の家から見た湖は、日差しを受けてきらきらと軽やかに見えた。
軽井沢も日光も、どちらも自然豊かで別荘地として有名だけど、私が住むなら日光だな~と感じた。軽井沢も素敵なんだけど…私にはちょっと華やかすぎるかなあ…!都会的な雰囲気が漂っていて、田舎もんにはちょっと眩しいかもしれない。行った季節や天候にも左右されるだろうけど、日光はしっぽりしててよかったな。
そして帰りの高速は土砂降りの雨。土砂降りというしかないので土砂降りと言っているけれど、きっとあなたが想像する土砂降りよりもっとひどいです。前の車のテールランプがやっと見えるぐらい。ワイパーの意味がないぐらいの大雨でした…。いろは坂といい大雨と言い、ドライバー的には大変な旅でした…。
雨が恐ろしかったので、椎名林檎さまのベスト・アルバム「ニュートンの林檎」を大音量でかけ、一緒に歌ってごまかしました。
無事、朝と同じインターチェンジを降りた時はほっとしました。まあその時には父に代わってもらってたのですが…。
そういえば、去年の3月、大学進学を機に引っ越した時も、ここ通ったなあ、と思い出した。その時は免許を持っていなかったから、私は助手席に乗っていて、後ろにはたくさんの荷物を積み込んでいた。運転している父が、眠くならないように歌うか、と言って、何をかけたかは忘れたけど、ジュジュの昭和歌謡カバーを流していた気がする。普段はそんなことしないのにな~と不思議に思っていたけれど、多分泣き出さないようにそうしてたんだと思う…笑
新幹線なら一時間の距離だから、なにも心配することはないと私は思っていたけれど、今になって、こうやって家族と過ごせるのはあとどれぐらいなんだろうかと思うと、むしろ7回目(!)の帰省を果たした今の方が、実家から帰るのに複雑な心境になる。これから就職して、実家に戻らないとしたら、帰省の回数はもっと減ると思うし。
nhkのチコちゃんに叱られるという番組で、「親と一緒に過ごせる残り時間」について大学の教授が発表した方程式によると、私の場合あと1か月ほどしかないんですよねえ。まだ大学生だから、今までの計算で行くともっと長いと思うし、就活して実家に戻る可能性もなきにしもあらずでまだ分からないけれど、そう思うと短いよね。
家族といるとそりゃあ疲れることもあるし、意見は合わないし、家族だからこそ言いたいこと言えなくてお互いむんつけて解決に余計に時間がかかったり、正直言うと「一人の方が楽だ!」と叫びたい時もあるけれど、やっぱり家族って不思議なもんなのね。
長く一緒にいると嫌になるけれど、久々に会ってみると、気楽に過ごせていいなあとも思う。フクザツなんだなあ。
関東のジャンクションも複雑怪奇で、普段新幹線を使う私たちは目を白黒させながら、懸命に目的地を目指した。途中から白線が消えて、沢山の車が一斉にゲートを目指すものだから、これが都会の競争なのかあと呆気にとられる場面もあった。やっとのことで目的のインターチェンジにたどり着く。ここを降りたら、あと30分ほどで新しい住処につく、と思うと、なんだかそわそわした。
勝手に目印にしていた前の車や、しばらく後ろにいた車が、私とは別のインターで降りたり、ジャンクションで別れたりすると、少しだけ寂しいようなそんな気持ちになる。その先にはその人の目指す目的地があり、私にも私の目的地があり、そんななか、しばし時をともにした仲間…という妄想を繰り広げている。向こうはそんなこと思ってないだろうけど。
昔はよく家族で毎週末に遠出をしていて、普段より高いところから見る山や、ちらっと見える湖、前の車のナンバープレートをぼんやりと眺めて、この人はずいぶん遠くから来たんだなあとか、これから実家に帰るのかな、それとも全く知らない土地に旅行にいくのかな、と想像するのが好きだった。車内にはずっと音楽がかかっていた。スピッツやユーミンやドリカムやオフコース、どれも私の感性の形作った音楽たち。
そろそろ夏休みも終わる。去年同様、4時間近くかけて車で帰る予定だ。もちろん運転は私!去年ので、都会の高速事情はだいたい分かったから、上手いことやれるだろう。初心者マークも念のため貼って、いざ…!
それでは、この辺で、さようなら。
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