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諦める・信じる

ついこの間まで、芝居漬けだったのに
もはや介護の仕事の問題で
頭がいっぱいである。

若い頃はやっぱり芝居が一番で
他の仕事は二の次だったのに
年を取ったということなのだろう。

ずっと我慢してきたこと。
現場で常に問題になっていて
皆が頭を突き合わせても、どうにもならなくて
でもどうにかしようと
ずっともがいてきたこと。

それの所在をどうしたらいいのか
わからないのだ。

岐路に立っている。
このままそれが風雨にさらされ
土に埋もれてゆくのを
見ているだけなのか。
それとも、ここが辞めるタイミングなのか。

言葉が言葉として
成り立たないのだ、ずっと。
辞めていった人たちの想いを
何度話しても
外国語かのように聞き流されてしまうのだ。

わたしにはもう
為すすべがない。
孤独であるし、虚しい。

そしてもうひとつは、もう許せそうにないのだ。
レベルの低下
それを感じない鈍さ
ずっと踏みとどまり、闘ってきた人たちへの
目線の高さ
すべてが…
わたしの理解を超越しつつあるのだろう。

あとはもう、成るがままに。
辞めるべき時が来たら、それとわかるのだから。
それまでは、透徹した目でここに居よう。

ずっと捨てられなかったもの。
まだ諦められないもの。

諦めていい時が来たなら
神様がわたしに囁く。
かつて芝居から離れた時のように。

神様。
わたしはもうこれを
諦めてもいいですか。
もう変わらないのだと
縁を断ち切ってもかまいませんか。

わたしにはわからない。
わからないのです。

信じたかった、のだと。
過去形になるのは
そういうことなのかもしれず。

わたしは信じたかった。
それだけは確かなのだ。

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