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旬があるのは人もそう?

買い物に行くと、その季節の食材が並んでいる。
その時その時にしか食べられない果物を食べて、四季を感じるのが私のちょっとした楽しみだ。
最近だと、でっぷりと重そうなツヤツヤのイチゴが眩しい。
(冬から売っているので、もはやいつが旬なのか定まらないが春の食べ物だと思っている。)

食べ物は、旬の時期だと一番その栄養価が高いらしい。自然の力ってすごい。
それぞれの食材が一番輝く時期を持っている。
イチゴを手に取りながら、人もそうなのかなぁ、と思った。

みんなそれぞれに個性があって、長所も短所もある。いろんな性格や特徴を持つ。
それが活きる場面、あるいはさほど必要とされない瞬間はそれぞれ違うように感じる。

明るく溌剌とした人もいれば、年齢の割に落ち着いた人もいる。
それぞれの魅力が輝く年齢や、ライフステージは異なって当然。
みんながみんな、一番輝ける瞬間を持っているはずだ。

私は正直、あまり楽しい10代を過ごさなかった。
みんな、青春だとか甘酸っぱい思い出だとか言うけれど、私にとって10代の頃はつらい思いをした時代だった。
自分に自信がなく、素を思うように出せず、人間関係にもとても疲れていた。
悩みが尽きず、とても苦しかった。
あの頃はどう考えても私の旬ではなかった。

社会不適合者なりではあるが、働くようになり
自分の人生を本格的に自由に生きていい大人になってからは、10代の頃よりも何倍も楽しい毎日を過ごせるようになった。
この世界の広さを知り、ある程度本当の自分を出せるようになった。
幸い出会う人たちにも恵まれ、とてもいい人間関係を築くこともできた。
行ってみたい場所へも気ままに赴くようになった。
私は私の人生の中で、間違いなく今が一番楽しくて、きっと良い顔をしてる、と思える時間があった。
人生は続くから、死ぬ時まで答えはわからないけれど、きっとその時間は私の人生の中の旬の一つだったと思う。

不遇の時代、何をやっても空回りする時期、
うまくいかない、悩みが絶えない、
多かれ少なかれそんな時期は誰にでもあると思う。
そういう時はもしかしたら蒔いた種が、
地中で寒い冬を耐えている時なのかもしれない。
旬の季節に何よりも輝けるように。


ふと、大好きな曲のワンフレーズを思い出した。

“Just remember in the winter
Far beneath the bitter snows
Lies the seed that with the sun's love
In the spring becomes the rose.”

『The Rose』 Bette Midler


人間だって一人ひとりにそれぞれ四季があるんだ、きっと。

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