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天使とは

フローレンス・ナイチンゲール。
私が尊敬してやまない偉人の一人だ。

言わずと知れた、近代看護の創始者である。
それまでは、教育を受けたわけでもない
社会の最下層の女性が、
確立された職業としてでもなく
看護を行っていたのだという。

彼女は人類で初めて
専門的な知識を得た人間が看護を行うシステムを作り、看護の定義を掲げ、その重要性を
身をもって証明した人だ。
現代の看護の在り方を作ったのは彼女である。

上流階級の女性として生まれ、働かなくても
豊かな暮らしができる立場であり
家族の反対にあいながらもなお、
看護師になるという意志を曲げることなく
自ら戦地に赴き、負傷した兵士のために献身的に働いた。

統計学の先駆者でもあり、
独自のグラフを生み出し論理的に
看護の現場の実態を伝える方法をとった。

クリミアの天使、と謳われ
いかにも聖母的なイメージが湧く彼女だが
その本当の姿は、
聡明で、革新的で、信じた道を突き進む
強い意志を持ったキャリアウーマンだったのだ。

“天使とは、美しい花をまき散らす者ではなく、
苦悩する者のために戦う者である。”

彼女が残した言葉。
私の人生観に影響を与えた言葉の一つ。

誰かのために一生懸命動く人の姿を
私はいつも心から美しいと思う。

たとえば、我が子のために
髪を振り乱して頑張るお母さん。
たとえば、皆が使う公衆トイレの掃除を
してくれている清掃員の人。
たとえば、災害現場でのレスキュー隊員。
瓦礫の山の中、泥にまみれながら
必死に生存者を助けようとする姿。

どんなに着飾った姿より何倍も、
そんな人たちの姿が私にとっては輝いて見える。

ナイチンゲールのような人間にはとてもなれないが、その崇高な精神をいつも心の中に持っておきたいと思う。
持て囃されることよりも
悩み苦しむ誰かのために動き、支え、与えることに生きる喜びを感じられる人間になりたい。

生き方に迷った時、彼女の偉大さが
未熟で挫けそうになる私の背中をいつも押してくれる。

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