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【中学校・社会科・歴史】大化の改新、壬申の乱の授業

 中学校の歴史授業においてどんな点を大切にして授業をしていけば良いのかを考えていきたい。
学習指導要領には以下のように書かれている。

(1)我が国の歴史の大きな流れを,世界の歴史を背景に,各時代の特色を踏まえて理解するとともに,諸資料から歴史に関する様々な情報を効果的に調べまとめる技能を身に付けるようにする。

(2)歴史に関わる事象の意味や意義,伝統と文化の特色などを,時期や年代,推移,比較,相互の関連や現在とのつながりなどに着目して多面的・多角的に考察したり,歴史に見られる課題を把握し複数の立場や意見を踏まえて公正に選択・判断したりする力,思考・判断したことを説明したり,それらを基に議論したりする力を養う。

(3)歴史に関わる諸事象について,よりよい社会の実現を視野にそこで見られる課題を主体的に追究,解決しようとする態度を養うとともに,多面的・多角的な考察や深い理解を通して涵養される我が国の歴史に対する愛情,国民としての自覚,国家及び社会並びに文化の発展や人々の生 活の向上に尽くした歴史上の人物と現在に伝わる文化遺産を尊重しよう とすることの大切さについての自覚などを深め,国際協調の精神を養 う。

中学校学習指導要領(平成29年告示)解説
社会科編 歴史的分野 

つまり
①時代の特徴を理解すること
②資料を活用し、情報を調べること
③歴史的出来事の意味や意義を理解すること
④時期や年代,推移,比較,相互の関連や現在とのつながりなどに着目すること(なぜその時期なのか、何が変わったのか、なぜ変わったのか、何が変わらないのかなど)
⑤多面的(政治面・経済面・外交面・文化面など)・多角的(貴族や天皇の視点、武士の視点、農民の視点、僧侶の視点など)に考察すること
が大切となってくる

この点を大化の改新、壬申の乱の授業を例に見ていく。

1、おえるポイント整理する
①知識として押さえておきたい語句
大化の改新、中大兄皇子、中臣鎌足、公地公民、壬申の乱、律令国家、大宝律令

②理解したい内容
・中大兄皇子や中臣鎌足は蘇我氏の勢力を排除したことで、天皇中心の国家を目指した=大化の改新
・壬申の乱で天智天皇側の豪族が排除されたことで、天皇中心の国づくりが加速され、その後律令国家が形成される

つまり、①・②を踏まえた上でこの項で押さえたいポイントは
大化の改新や壬申の乱を経て、天皇中心の政治へと変化し、律令国家が形成されることである。

2、発問を考える
Q1 中大兄皇子、中臣鎌足についてどんなことを知っている?
意図
・小学校の学習を思い出させることで生徒の関心を引き出す。
・「大化の改新」「蘇我氏を倒した」などの発言から、切り返しの発問で、「大化の改新で何が変わったの?」「蘇我氏を倒したことことがなぜ大切なの」と大化の改新の意義やその後の変化について考えさせる

Q2  天智天皇の死後、息子(大友皇子)と弟(大海人皇子)で次の天皇をめぐり壬申の乱が起こった。この戦は弟(大海人皇子)が勝利し、その後天皇の力がさらに強まった。なぜ天皇の力が強まったのか豪族という言葉を使って説明してみよう。
意図
・壬申の乱では天智天皇側の豪族が大友皇子側のについていたため、大海人皇子=天武天皇が勝利した後、豪族の影響を受けにくくなり、天皇中心の政治が加速していくことを理解させる

3、方法を考える
Q1については個人で考えさせ、全体で意見シェアをしていく。その中で、切り返しの発問で考えを深めていく。

Q2については高度な発問になってくるので、個人で考えた後、さらに班で考えていき、全体でシェアする。

今回の授業では
③歴史的出来事の意味や意義を理解すること
④時期や年代,推移,比較,相互の関連や現在とのつながりなどに着目することに
に重点を置き、大化の改新や壬申の乱の意義やその後の変化について考えられるようにした。






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