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【アニメレビュー】逃げ上手の若君 第一話・第二話感想:視聴者の性癖を狂わせる歴史物の異色バトルアニメ!

初めましての方は初めまして。そうでない方はいつもお世話になっております。朝霧くもりです。

さて、2024年夏アニメもついに始まりましたね。

今回は若君に狂わされた人が多発した「逃げ上手の若君(以下、逃げ若)」の第一話・第二話をレビューしていきたいと思います。

それでは行ってみましょー!


あらすじ

鎌倉時代末期、北条家当主の嫡男「北条時行」は神速の逃げ足を活かし、厄介事をのらりくらりと躱して悠々自適に生きていた。
しかしながら、幕府の有力武士「足利高氏(尊氏)」の謀反により、親族や家臣といった仲間から建築物まで、鎌倉幕府の全てを葬られてしまう。鎌倉幕府滅亡の中、命からがら逃げ伸びた時行は諏訪頼重と共に、尊氏への復讐を誓うのだった。

これは、時行と尊氏の運命を懸けた歴史物語である……。


良かった点

魅力的なキャラクター

キャラデザ・キャラ付けどちらも素晴らしかったですね。

まずは主人公の時行から。
純真な小学生を思わせる言動がかわいくて仕方無いです。それでいてこのルックスは反則だと思う。そもそも出てくるシーンのほとんどで顔を紅潮させているのもおかしい。

守りたいこの笑顔
(引用:©松井優征/集英社・逃げ上手の若君製作委員会)

しかも、こんなに華奢で可愛い面を前面に出しているのに、武士道精神が下手にあるし覚悟もあるのでより一層魅力的に見えます。達観したような言動や大人を手玉のように扱う戦闘能力の高さが、見た目に反していて視聴者に意外な印象を与えます。
でも、やっぱり年相応に悲しいと涙を流すんですよね。このバランスこそが時行の魅力なのかなと感じました。ネタバレは避けますが、残酷な真実を知って嘔吐する様子ですら美しいです。ㄟ⁰ㄋㄟ⁰ㄋㄜㄝㄋ

あーもう全カットが可愛すぎてたまらん
(引用:©松井優征/集英社・逃げ上手の若君製作委員会)


また、時行以外のキャラクターも良いですね。

頼重もギャグを適度に入れられるひょうきんな性格をしていることで、重すぎるストーリーを緩和する良い緩衝材になっています。
そんなネタキャラの面もありつつ、パーティー唯一の大人としていざという時は本当に頼りになるんですよね。最高です。

頼重の娘の雫もロリロリしているのにしっかりしている所があっていいギャップですし、部下の亜也子・弧次郎も子供ならではの純真さと武士ならではの忠義の厚さがあって今の所好きな所しかありません。まだ活躍機会が少ないので、今後の会話や戦闘に期待大です。


対比が綺麗な一話完結型のストーリー

ストーリーも作品作りのお手本になるくらい綺麗です。

一話後半に鎌倉幕府は滅んでしまうのですが、その前に時行の過ごしていた日常をしっかりと描くことで視聴者に強烈なインパクトを植え付けています。また、時行が鍛錬をサボる日常パートと、獄火の中で敵の攻撃をひらりとかわすパートなど、前後での対比がしっかりと描かれていましたね。

1話毎のストーリーとして見ても分かりやすいですし、その上で最終目的にしっかりと近づいているのでストーリー自体も面白いと思えるできでした。

また、普通にアニメならご都合だと言われる展開すらも、「史実」でゴリ押せるのが強いですね。現実は小説よりも奇なり。


美術的な心理描写

作画も良いのですが、所々で挟まる日本絵画のようなワンカットの図が素晴らしいんですよね。

以下のカットは頼重から見た時行の才能を表している一枚絵なんですが、日本絵画のような美しさを表現しながら、頼重が見ている時行の様子をよく表しています。

時行を表した完璧な一枚
(引用:©松井優征/集英社・逃げ上手の若君製作委員会)

これが毎回挿入されるのではなく、キャラクターの心理的な視点を描写したい時にだけ現れるので、注目してほしいシーンを強調する視覚効果として活かされていると感じました。


CGを活かしたダイナミックな戦闘描写

バトル物でもあるということで、戦闘描写にも触れなければいけません。

簡潔に言って普通にクオリティが高いです。
特に静と動の切り替えがよくできており、決め手のシーンでは視点移動が激しくなるので視聴者は退屈しません。

CGを使っている場面があったり、大胆なカットを使った動きのある描写でなかなかにカッコ良いです。

めちゃ疾走感ある
(引用:©松井優征/集英社・逃げ上手の若君製作委員会)

呪術廻戦や鬼滅の刃で我々の目はおかしくなっていますが、それでもクオリティが高いと言えると思います。


良くなかった点

頼重のギャグと未来要素

ギャグが物語を程よく緩和しているという良い点もあるのですが、明らかにシリアスな場面で結構尺を使ってギャグが挟まるのだけはイマイチだと思いました。
単純にテンポも悪いですし、本人たちはあまり気にしていなくても見ているこっち側の情緒がグッチャグチャになります。

また、頼重が未来を見れるという理由で桃鉄ライクなゲームが出てきます。別に毒になるわけではないですが、この要素いる?


総評

  • 全てのキャラクターが魅力的で、特に時行は神が作ったとしか思えない天才的なキャラクター性を備えている

  • 史実を上手く織り交ぜた一話完結型のストーリーで展開が理解しやすい

  • 心理描写や戦闘描写もかなり工夫を凝らしており、映像表現が効果的に作用している

  • 頼重のギャグは雰囲気を和らげるが、邪魔になることもある


総評はD(切る)、C(保留)、B(視聴継続)、A(面白い)、S(覇権)のうちAランクとします。

文句無しに面白いです。何より時行が可愛すぎるので、何があろうと絶対に最後まで見ます。
覇権レベルと言っても良いのですが、今期はライバルが多すぎるので覇権を争える作品になるかは今後の展開を見て判断したいと思います。


〆の挨拶

ここまでお読みいただきありがとうございました!
キャラクターの魅力だけにとどまらず、各所に制作陣の努力の結晶が詰まった良作だと思いました。

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また次回の記事でお会いしましょう!
サラダバー!


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