和光大学生から見た物流業界の多重下請け構造

居酒屋 赤とん

悠馬: 「哲也、物流業界についてどう思う?。」

哲也: 「物流業界の多重下請け構造の問題は、ずっと悩んでいる課題だな。毎日直面している現実で、本当に心が痛むよ。運送業界では、運賃が下請けに回るたびに削られて、採算が取れないくらいまで安くなっていくんだ。それがいつの間にか当たり前の状況になってしまっているんだ。もう遠く離れた存在のような標準的な運賃が示されているけど、実際のところはかけ離れているんだ。荷主たちも物流費を削減するために、多層構造の問題を認識して中抜きを排除しようとしているんだ。その結果、ますます安い運賃で貨物を運ばせるようになって、時には元の運賃よりも安くなってしまうことさえある。残念ながら、これが現在の物流業界の実態だ。
だからこそ、国土交通大臣が示した「標準的運賃」が注目されるんだ。元請けや下請けの関係に関係なく、実際の運送業者がもらうべき運賃を示しているんだ。だが、この多層構造の下では、「標準的運賃」という考え方自体が矛盾している。下請けや孫請けでも、もらうべき運賃に差がなくなるはずなのに、現実はまったく変わってない。現場で仕事をこなす運送事業者がもらう運賃は、再生産可能な額に比べて全然足りないんだ。出す側は「安く走ってもらえるから」とか言って運賃を下げるし、「安くても仕事があるだけマシ」と受け入れるしかないんだ。でも、燃料代やタイヤ代なんかはどんどん上がっている。こんな状況が続けば、事業者の体力が尽きてしまって、市場から消える事業者が増えるんじゃないかって心配なんだよ。
実際、倒産件数も増えてきてるんだから。このままじゃ物流業界がますます厳しくなっていくんじゃないか。しかし、黙っているわけにはいかない。この問題を解決するために、業界全体で協力して取り組む必要がある。まずは、運賃の適正化や契約条件の改善を求める声を上げることが重要だ。そして、政府や関係機関に対しても、物流業界の現状と問題点をしっかりと伝えていかなきゃならない。また、業界内での情報共有や連携も大切だ。運送事業者が採算を取りながら安定的に仕事を続けるためには、適正な運賃が支払われる環境が整っていることが不可欠なんだ。それには、物流業界全体の意識改革と協力が求められるだろう。」

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