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つぶやき日記2️⃣3️⃣7️⃣

土曜日母から叔父が施設に入ることになった
と電話があった。

叔父が会いたいと言っていると。

実家と目と鼻の先に住む叔父。

わたしは2度と故郷には帰らないと
思っていたけど
日曜日仕事終わり会いに行ってきた。

わたしが住むところから車で
1時間15分。

その間不思議なことがあった。

運転していると
わたしが生まれた時のことが浮かんでくる。

自宅出産でまわりには
父、祖父、祖母、叔母、そして叔父がいる。

生まれたわたしを見て叔父が
決めた事。

この子は何があっても僕が守る
一生大切にすると。

もちろん生まれたばかりのわたしには
そんなことよりわかるはずもなく
覚えてなどいない。

だけどおじがその瞬間から今日まで
同じ想いでいたことを
車には誰もいないのに
わたしの隣で話しかけてきているよう感じた。

夕方叔父の家に着いた。

叔父はかなり弱っていて
もう1人では起きれない。

夕食を一緒に食べる。

座れない叔父を母が支える中
精一杯普段通り箸を持って
食べようとする叔父。
でも中々口に入らない。

介護ベッドを起こして
食べさせる方が楽だと思うけど
どうしても自分で食べたいらしい。
自分の口元にこぼしながら
箸を運ぶ叔父をわたしも手伝う。

"お前にこんな姿見せたくなかった"
そう言っているように思えた。
精一杯のプライド。
泣いてるようにも見えた。

食事も終わり少し話して
わたしが大切にしていた
パワーストーンのブレスレットを
お守りにあげた。

うとうとし出したので
叔父から離れ母とお茶を飲みながら
車の中であった不思議なことを
話した。

話しながら叔父がわたしがあげた
ブレスレットを大切にするように
手をおいているのが見えた。
いつも両脇に手をおいて眠るのに。

ぎゅっと抱きしめているかのように。

その瞬間わたしは叔父の本当の想いを
知った気がした。

そして母は何言ってんのって
笑い飛ばすと思いながら
わたしは感じた通りのことを言った。

"お母さんもしかしたら
叔父さんはわたしのこと
好きだったんじゃないかなぁ?
わたしがあげたブレスレット
恋人からもらったみたいに
手で抱くようにしてるみたいに
見えるんだけど?…
だから一生独身だったのかなぁ?
もし叔父と姪でなかったら
結婚していたかもしれないね。
警察官になったのも
自分を律する為だったのかなぁ?"

それを聞いた母は
否定することもなく
わたしが車の中で感じ取っていた事と同じことを話し始めた。

貴女が生まれた時
"僕が一生守る"
そう言っていたからね。
だから施設に入ればもう帰れない事
なんとなくわかっていて
貴女を呼んだのかもね。
いつも貴女が来ると
他の身内がくる時と
全然顔が違ったもんね。

それを聞いて
わたしが結婚した時どう思ったんだろな
とかいろんなこと考えた。

純粋に想いを貫く。

複雑だけど凄いし素敵だと思った。

そして帰る時
"施設に明日から行くけど必ず
帰るから"
叔父が小さな声で言った。
"必ず会いに来るから待っていて"
わたしがそう答えると
うんうんって力強くうなづいた。

人を愛する強さを知った日。

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