読書感想文 37　大森静佳著　『ヘクタール』

ヘクタール

　二千十年に第五十六回角川短歌賞を受賞した著者による第三歌集。幻想的なものと現実的なものの取り合わせの妙を感じる。上の句と下の句の発想の飛躍の意外性がよかった。

さびしさの単位は今もヘクタール葱あおあおと風に吹かれて

へクトールより引用

淋しさを数えるのは普通なら一日とさ一ヶ月とか、一年とか時間を持ってくるのが普通なのにヘクタールという言葉を持ってくるのにすごいなあとおもう。