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ポンコツの小さな一歩

小さい頃からポンコツである。
正解は周りにあって、合わせにいく。なので、常にオドオドした内向的な子どもだった。
大人の言うことは正しいし、思いが違ったら自分が間違い。怒られるのも失敗もダメなこと。褒められたり、凄いねと言われることがいいこと。
けれど、ポンコツな私は、何もかもが遅く、ちゃんとすることについていくことに必死だった。けれど、それが当たり前でそういうものだと無意識に思っていたのだと思う。

そんな私だが、成長とともに、生きにくいことに気が付き始めた。
周りに合わせて、間違わないように、顔色や評価を気にして…。と生きていると自分がなくなる。

ある時、講演会を聞きに行く機会があった。何となく行くことになり、ただ座っていただけの時間だった。
講演会の後、知り合いの目上の方と出会い、どうだった?と感想を聞かれた。私は話を聞き流しただけで自分はどう思うかなど考えてもみなかったし、どう答えるか、正しい答えを探して口を開くことが出来なかった。
一緒に行った友人は、自分の考えや思ったこと等をさらさらと伝えていて、とても驚いたのを覚えている。

それまで私はただただ、うまく過ぎ去ることのみを思っていた。問題なく時間が過ぎる為の行動、発言、態度。誰にも怒られず、責められないように。
自分のことをまったく信用していなかったのだと思う。

この時、私は興味をもつということをやってみようと思った。自分の好きなもの以外にも、まず興味を持ってみる。そうすれば、誰かにどうだった?と聞かれた時、何か答えることができる。
と思ったのだ。

それは、ただ、行く、こなす。ではなく、そこで自分は何を感じるかということ。たとえ、講演の内容だけではなくても。それだけで、少し世界は広がる。
今はそう思うのだ。

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