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9即、栽培できる圃場を貸す者は居ない

圃場所有者は何らかの原因で貸しても良いと言う。何らかの原因や理由や状況の変化でその圃場を耕作をしなくなり、管理や収益化が難しくなったのだから、その理由をその場所を借用し管理と栽培を行なうと決意したなら、問題を解決しなければ農地利用権を設定して熱心に営農を行っても努力が水泡になる可能性を秘めている。又、投入した資金(労力・機械燃料・肥料・薬剤等の経費)が無駄になる事も予想がつく。
上記画像は、農業事業拡大しようと思っていた時に、まとまって貸しても良いと申し出が有った圃場の未整備の耕作準備前の状態である。所有者は老人一人で認知症が進んで、子息と一緒に暮らす為に子息の住む市街地に退出し、子息が圃場周辺の草刈りをするだけで休日に通うだけで、何ら耕作と圃場内の整備が行われずに遂に3年間程を耕作放棄となった圃場である。
私は、下記画像のように整備(圃場周辺を雑草を短く草刈り・大量の堆肥投入散布・耕土を水平耕すトラクター作業・排水枡の増設と掘り下げ等)を行ったのであるが結局はこの圃場の利用権設定は行う事をしなかった。
理由=中山間地での最大の敵は【獣害】。その防止の為に電気柵の設置を地権者が認めなかったから。私は、自身が丹精込めて作った圃場環境と農作物を獣の食卓と糧にはしたくない。

正面山裾に向かって4枚のまとまった面積と山裾に谷側が流れて水利にも便利不自由のない
圃場であった。この面積で5月の夏野菜苗を定植するのを皮切りに年末の漬物事業者向けの
原料野菜の契約栽培を目標にしていたが、獣害防止に対する地権者の理解を得られる事が
できなかった。この圃場に投入した堆肥は50t程。この労力と費用は回収はできていない。
即ち、大損して栽培契約で増収しようとする計画は頓挫し失敗した。

《農地利用権設定する前に確認すべき事》
○日照
農作物は当然植物であり、適切な生育にはその作物品種にもよるが、十分な陽光を必要とするのが当然である。それはその場所で成長する為に栽培時期に於いて適切な日照時間と陽光の強さを求めている。しかし、作物の一時期に於いて土中からの水分吸収する勢いと果実(トマトやナスや甘とうがらし類等の実)が肥大する速度とにバランスが崩れた時に著しく品質の評価を落とす事象として果実の裂傷が生じたり、色合いが良くない果実が発生したりする。この事象は次に述べる水との関係性が有る事項であるが、特に太陽光の力は最重要で私は考慮している。私は米作をしないので蔬菜オンリーの営農であるから、日照時間に関しては、夏季の日照時間が長い時期に16時頃には圃場全体が地形影響で日陰になる場所を好む。いつまでも強い西陽が当たらない場所は、夜の土の温度も適切に下がる事を期待して選択する。
○水
清涼で清潔である事。これが確保できない場所では耕作は絶対に行わない。
述べる必要はないであろう。常識である。
しかし、場所的には超微量に鉄分や塩分を含む地下水が流れ込む清涼な河川も存在する。鉄分は気にしないが、作物に潅水して圃場内に塩分が過多に残る圃場の土壌状態に向かうような水質の河川の水を使う時には、十分な警戒が必要である。
○風
午前と午後で風向きが変わる。栽培する作物が実をつける条件である授粉に風が多大な影響を及ぼすのではないか?と、状態の観察をするようにしている。又、突風が起こる圃場は避けるべきだ。←揺れる果実が枝葉に擦れて傷が付く。
授粉への影響もあるように思う。その風に従う昆虫がだけでなく、逆風に打ち勝つ虫も居る。実である同じ品目で他品種を近接して栽培した場合に授粉に影響を及ぼす逆風に強くがんばる昆虫たちの動きが、栽培品目に混血の可能性を高める事を危惧するからである。
又、防疫や防虫で散布する薬剤も風に影響されるので、その薬剤のドリフト(薬剤が他所に飛び散る事)を防ぐ事が可能な風が吹く圃場だと良い。
○土
耕土の厚さが圃場全面で均等で、中央部が高く一辺毎の角隅が低い状況が維持されている事。これは最重要な部類に入る圃場選択の条件かもしれない。要は水はけの良好性を維持する為に無駄な労力と費用を使う必要が無い圃場である。圃場耕土が波打つ状態で管理されている圃場は避けるべきで、それを均平に整備するには独特の技術を要する。←水を圃場全面に張り、ひたすら代掻きをする方法を行って修復した事が有る。
○現状
周囲の耕作者の営農技術レベル。特に農薬使用に関して正確な知識を有し正確な使用方法と回数や使用限度日数が理解できている農業車である事が重要である。なぜなら、隣の圃場で違う作物を栽培していて、それが風上だったとすれば、風下の自圃場内で栽培する他品種に使用できない農薬がドリフトで飛散してくる恐れが有る。知る事無くその薬剤が残留する農産物を出荷すれば販売不可の農産物を販売した事になるからだ。老齢農業者の中には、使用限度濃度では効き目が薄いからという理由で高濃度の配合で散布する者もいる実際が有る。本来、農薬は使用できる作物毎に薬剤登録されていて、その登録されている作物に対して散布制限回数内で収穫前の散布可能日数以前を順守していれば、残留農薬はその作物には微量どころか農薬の毒性分は残らないように使用基準は定められている。しかし、隣で無謀で自己中心的無秩序な農薬の使用がされて自圃場の作物に影響を及ぼす人物からは逃げるが勝ちだ。

完熟堆肥を大量に圃場一面均一に散布するには機械に頼る。2tダンプ車で続々と運ばれて来る
完熟堆肥を上記画像の散布機械に移し替えて一気に圃場全面に均一に散布する。
私は、10a当り4t~6tを目安の散布作業を堆肥製造所に依頼している。
完熟堆肥散布前の10日前迄には、苦土石灰や転炉さい(カブ栽培地)の散布を
完了させておき土壌酸度の調整を完了しておく事が肝心である。
又、定植時期に土壌の成分検査を行っている。これは、栽培する農産物が必要とする収穫までの
養分量が充当されているのか?を確認して、追肥を行う時に不足する成分量の参考として、
追肥時に与える養分分量が過多や不足にならないように参考とする為である。
完熟堆肥の代用となって、腐植酸成分が主の土壌改良肥料も販売されているが面積が広いので
散布する労力を足して考慮したら、完熟堆肥の大量散布を依頼する方が有利と考えている。

《獣害の被害実際の調査》
過去にどんな獣害被害が付近で起きているのかを調査しておくことが重要です。私は猿被害の有った場所や出没する場所の圃場は選択はしない。
熊・猪・鹿・アライグマ・キツネ・ハクビシン・テン・イタチ・モグラ等作物に実害を及ぼす動物は頻繁に作物に近づく。侵入防止に効力を発揮するのが電気柵である事は間違いがない。しかし、地権者によっては危険性を指摘したり、動物愛護精神(宗教や信仰の対象として)からか、その類の防除方法を嫌ったり拒否する方が居る。電気柵が設置不可能な圃場も選択対処からは外すべきである。


本日はここまでで、ご容赦ください。
実は眠たいのです。
私独自の営農技術は記しておきたい事が多くあるので、相当の未来で、書く予定の農業技術編(予定で記述時期は本年12月末から翌年1月頃かなぁ~。)で、作業項目毎か季節毎のどちらかの区分をして後述します。

次回、よろしくお願いいたします。

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