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人生ドライブ。

とてつもなく大きな世界の中の小さな街に住む小さな人間の声。
受験が迫る夏休み、何もしなくてもそれは向こうからやってくる。
進学、就職、フリーター、ニート……。
様々な道がある中で進学という名の峠にハンドルを切った僕は毎日白いルーズリーフと無数の文字と見つめ合う事になる。
自分の進んでいる道がこの先自分にとって幸福か分からない不安と期待が蠢くまどろっこしい状況の中で未来への地図をルーズリーフに書き殴っていく。この夏に見える景色はモノトーンだ。
久しぶりの夏祭り、花火。
周りの人には色鮮やかなライトや賑やかな声が聴こえているかもしれない。でも今の僕に見える景色は黒と白のモノトーン。それはまるで時代劇で見るような白黒テレビみたいだ。
新学期が始まり秋、冬、正月、春、そして次の夏。もし、僕がまだ生きていて、来年の夏を迎えているのなら僕の目には何色が映っているのだろうか。それはまだモノトーンかもしれないし、真っ黒の闇かもしれない、はたまた色鮮やかな景色が広がっているかもしれない。
見えない未来に向かって確実に僕は進んでゆく。

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