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ツツジ

「向かいのカフェ」


朝いつも同じ時間帯に

向かい側のカフェに座る人

その人は

一言で言えば美しい

みんなが見惚れている様子が

ガラス越しによく見える

洗練された姿勢で

本をじっくり読んでいる

ときどきパラパラと黒髪が

目にかかりそうになると

ゆっくりと指先を

耳元に持っていきスッとかける

そして、薄いフレームのメガネの縁を

指先で確かめるようにして

メガネをちょっと掛け直す

その一連の動作に色気を感じる

今だって、後ろでそれを見ていた人が

俯いて顔を赤くしている

直視できないのだ

美しすぎて

肌もスベスベで

嫉妬するくらいきめ細やか

もう、こんな時間だ

道路ふちのツツジの花に影がかかる

美しい人も居なくなる頃だ

今日も一日頑張ろうかな

名前も知らない美しい人に

今日も元気づけられてます

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